待ってました。本当に待ってましたよ。
人生40年近く生きて来て、数多のバンド解散、活動終了の瞬間に立ち会って来ました。
確かに、活動再開!という局面も存在はしていましたよ。
けれども、大抵は売れに売れた大御所バンドが、解散後に悠久の時を経て活動再開!という、嬉しいんだけれども、「まぁ...うん...」といったものが大半。
解散!?なんで!もっとあなたの音楽を聴いていたかった!と嘆いたバンドの曲が、割合短い期間の後に再び聴ける、それも新曲!という展開なんて、至極レアケースなのではないでしょうか。
昨年出会い頭の事故のように出会った素敵なバンド。既に解散してしまっていたバンドが再びライブを放ち、新規にMVを発表してくれた!
これを奇跡と言わずに何と言うのか。
『OLD CIRCUS』の『星空の夜に』。
お帰りなさい。待っていましたよ。
正直に白状します。冷静に音楽を聴くことが出来ません。
1年前。私自身が辛い時期に出会い、色々な、本当に色々なものを頂いた音楽。
和泉隆宏氏、OLD CIRCUS、前進のロマン急行。
これらの音楽に、冗談抜きで救われて来た1年でした。
少しずつ過去の音源を解禁して行きましたから。
冬のあの日に歩きながら聴いていた曲。
夏のあの日に車の中で鬼リピしていたあの曲。
それぞれの楽曲と具体的な人生と私の想い出が、がっつりとリンクしたこの一年。
そんな彼らが。帰って来た。
音楽活動を続けてくれるだけでなく、そのままに帰って来たんです。
そしてその足跡もまた、YouTubeを通して目にしてきました。
こんなの、もう...冷静でなんて居られません。
彼らの力を借りながら、なんとか震える足を支えて来たこの一年。
その先に輝く彼らの姿が待っていた。
この世界、まだまだ捨てもんじゃあないですね。
私的彼らの好きなところは、感情に語り掛ける「エモさ」を武器にしながらも、たたき出す音がガチガチのロック、生粋のバウンドサウンドというバランス感覚。
とはいえ。
YouTubeでしか聴けていないからか?
彼らの思いが込められているからか?
今回のこの曲は、一にも二にも、歌詞をしっかり聴き取ることが出来るように作られているような気がします。
彼らからのメッセージをしかりと届ける。それがこの楽曲に課せられた使命なのかもしれません。
どこまでもまっすぐな歌声が花道を歩く、その周りに華を添えるように配置されたバンドサウンドが実に心地よく。
二日酔いの朝のお味噌汁の様に、するすると摂取することが出来ます。
しかしそこはOLD CIRCUS。
独断と偏見ですが、ベーシストが軍手をしているバンドはガチ中のガチです。
ドラムはさりげなく激しく。
ベースラインはヴィンヴィンと低音から華やかさを支え。
ギターサウンドはいつものように煌めくような光を散りばめてくれます。
楽曲がラストに近付くにつれ、全員がMAXモードに突入して行く様が、実にバンドサウンドの美味しさを表していて良いですね。
そして、この歌詞、歌声、世界観。
もうね、ダメですよ、こんなの。
この一年、ずっとYouTubeチャンネルを見て来ました。
何度気だるそうに起き上がる姿を見て来たか。
何度颯爽とマラソンレベルのジョギングを繰り返す姿を見て来たか。
何度美味しいものを食べ。
何度タカラのハイボールを飲み。
何度ぐったりと布団に沈む姿を見て来たか。
MVには見覚えのあるシーンもちらほら。
バンドメンバーと顔を会わせる姿、語り合う姿、リハをしている姿を見て来たか。
万感の想いとはこの事ですよ。
和泉隆宏、OLD CIRCUSという存在に魅力を感じ、あまつさえYouTubeを眺めて来た者達の中に、このMVに感動を覚えないひとは居るだろうか?
音のひとつひとつに感銘を受け、しっかりと味わい。
言葉のひとつひとつに納得し、頷き、共感を覚えてしまいます。
「もうちょっとここにいたい」というのは、本当に共感しかありません。
この世はサイコー!だなんて思えない。
love & peace!と叫べるほどにお花畑ではない。
この世界に生きて行くことに幸せを感じます!と胸を張ることは出来ない。
けれど。
この世界に唾を吐く気にもなれず。ディスるような気分でもなく。
悪くはない。本当に悪くはないこの世界。
もう少しだけ、生きて見てもいいですか?
生きていても、許してくれますか?
もうちょっと、ここに居てもいいですか?
私の今の飾らない本音、生きる理由はこれに尽きるかも知れません。
そして個人的一番のハイライトはラストのひと言。
『また笑い合おう』
普通の言葉かも知れません。
これまでの人生で、何度も目にした言葉でしょう。
でも、めっちゃ素敵じゃない?この言葉。
誰にでも、通じると思うんですよ、この言葉。
一緒に生活をする家族から、職場で顔を会わせるくらいのひとまで。
なんなら、街ですれ違う見知らぬひとが相手としたって。
ふと「笑い合う」ことが出来たなら。そこはもう、涅槃です。
そしてどんなシチュであっても、幸せしかないと思うんです。
それこそ、最愛のひとだって。
ちょっと苦手だけれども付き合うしかないあのひとだって。
公園でふと見かけたちびっ子だって。
誰かと「笑い合う」ことが出来たなら。そこはもう、涅槃ですよね?
いつでもどこでも、きっと世界が滅びても、星空はきっと奇跡のように綺麗であり。
いつでもどこでも、きっと世界が滅びても、誰か笑い合えたらそこは涅槃であり。
一秒でも多く。笑い会えていたならば。それはもう涅槃。
うん、笑おう。
もうちょっとだけ、笑って生きてみても、いいですか?


