歳を重ねるほどに、好きな音楽は増えていきますよね。
昔好きだったあの曲、あのバンド。
10年20年という月日が経てば、そもそも活動を継続していないことも有るし、音楽の方向性も少しずつ変わっていくもの。
特にコアなファンというわけではなく、なんとなく好きだったレベルの場合。
あー、今も活動していたんだなぁ...でも、やっぱりあの頃とはなんか違うかな。と思うことも少ないはず。
昔流行ってたよねー、嫌いじゃなかったなー、くらいの方にも是非聴いてもらいたい。
LUNA SEAの最新盤からの一曲、Closer。
もう20年以上前になるのか!(驚愕)
当時、ヴィジュアル系と言われるようなバンドの他、アイドルユニット、実力派アーティスト等々、音楽シーンは多様に盛り上がっていた。
テレビを付けていれば音楽番組が多くやっていたし、「特別なファンではないけれど結構詳しいし曲も知っているアーティスト」という存在も多かった。
LUNA SEAもまた、多くのコアなファンから、メディアで知っていてなんとなく好き、くらいのライト層まで、幅広い方々に認知された存在ではなかろうか。
自分も比較的ライト層で、活動が一旦停まったかと思えば何やら大きなLive等もやっていたり、まだまだ活動しているなー、くらいの認識だった。
そんな中、店頭でばったりとこの新譜(といっても発売からかなり経った頃)と出会い、なんか昔の友人にバッタリ出会ったような郷愁感に駆られて衝動買いしたのを覚えています。
でも正直、あまり期待してなかったんですよ。活動をしっかり追ってきたファンとは違い、「あの有名な曲を知っていて好きだったなー」レベルの自分。
大抵は、あの頃とは大分変ったな~なんて思い、自分が勝手に用意していた「あの頃みたいな曲を聴きたい想い」は満たされずに終わるもの。
でも、LUNA SEAは違った。アルバムを聴き始めてすぐに思った。
ああ、これLUNA SEAだわ。
ヴォーカルの粘り気の強い唯一無二の歌声。
キラキラした青空のような、独特の爽やかさを感じさせるギター。
意識を向けると実はしっかりと存在感を見せ付けるゴリゴリのベースライン。
いわずもがなのドラムプレイ。
これよこれ。これがLUNA SEAだわ。
力強いのに優しく、激しいのに爽やかで。聴き心地がすこぶる良い。
重厚なロックサウンドで始まり、ヴォーカルの存在感も見せ付けた後の必殺のサビはキャッチーさもたっぷりのThe LUNA SEA感。
もちろん、あの頃のままでずっと変わらない音楽をやっている、というのとも違う。LUNA SEAという旨味は一切変えていないのに、古臭さなんて微塵もなく、音は洗練された最新の楽曲そのもの。
LUNA SEAを知ってる人も、知らない人も、是非手に取っていただきたい。
絶妙な旨味バランスを狙ったような楽曲なので、始めに聴いて「ふーん」だった人も、何度か聴いている内に気付けばハマっていたパターンもあるかもよ?
「きらめいた」という歌詞をこんなに違和感なく唄える50代男性、そうそう居ないぜ?