マイツの小部屋

陰キャのための音楽ライフ

Soundchaser_RAGE この曲が気に入らないメタラーなんて、居るんかいな?

メタルの旨味の根源とは?

 

卓越した技術をもって奏でられるギターサウンド

腹の奥に響いてくるベースライン。

ヘドバン不可避のビートを放つドラム。

そして、つい唄いたくなるようなメロディ感あふれるヴォーカル。

 

ここに様々な要素を積み重ねるも良し。そしてこれだけで勝負するのもまた良し。

 

3人という最小編成でありながら、これらの旨味のみをじっくりことこと煮込んで出来上がるのがこの曲。

 

ジャーマンメタルの重鎮RAGEのSoundchaser。サビはつい歌いたくなっちゃうよ。

Soundchaser

Soundchaser

  • レイジ
  • メタル
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

当時のバンド編成は、

RAGEの中核をなす、ドイツ出身ベースヴォーカルのピーヴィ・ワーグナー

超絶技能を持つロシアの変態ギタリスト、ヴィクター・スモルスキー。

暴れ馬のような激しいドラムプレイが魅力、アメリカのマイク・テラーナ。

 

この三人が織りなす奇跡のバランス感覚が生み出したこの曲は、本当にメタルとしての純度が高く、ただただどこまでもカッコいい。

 

 

ザックザクのギターから始まり、叩き込まれるようにベースとドラムが合流。

シンプルで力強いドラムをバックに、骨太のメインリフだけが響くオープニング。

 

これよ!これ!これがメタルよ!

 

音が手薄になる高音部にストリングスや別の音を積み重ねたり、そんな小細工は一切無し!ギター!ベース!ドラム!以上!この清々しさよ。

 

音域にたっぷりと余白があり、シンプルに構成されているのにも関わらず、物足りなさが微塵も無い。楽曲を高めるためにリフがあるのではなく、リフを美味しく聴かせるために楽曲がある。

博多華丸氏も言っていた。刺身は醤油を舐めるためにある、と。(異論は認めます)

 

 

とにもかくにもバランス感覚が絶妙なんです。

POPSのような、ヴォーカルが立ち過ぎてサウンドが聴こえない、なんてこともない。リズム隊はしっかりと支える役目を担いつつも、スネアのインパクトが実に小気味良く主張してくるし、不足し気味な高音はシンバルで巧みにカバー。

基本に忠実、けれどその芯が何とも太すぎる!

 

そして突入する間奏部。

ギターのヴィクターは明らかな変態(ギターの、ですよ?)。Live映像で映し出されるギターをかき鳴らす彼の姿は、完全にいっちゃってます。

オーケストラの楽曲すらも描けてしまう彼は、明らかな天才肌タイプ。

時期によっては彼の特性がより強く前面に押し出されるアルバムもあるけれど、個人的にはこの頃の塩梅こそベスト。

天才的なセンスを持つギタリストが、敢えてパワーメタルに全振りした結果がこの出来よ。

 

一方でこの頃のギターソロは、あくまでもギターをメインに据えつつも、しっかりとバンドサウンド全体が美味しい構成になっている。

 

言うなれば、これはギターソロではなく、もはやバンドソロ!(バカ言ってる)

 

 

こちらのLive音源も是非。

ピーヴィがサビを唄う部分がとにかく気持ちよさそうで。メロディも歌詞もシンプルなサビは、ついつい自分も歌いたくなること間違いなし。

良いバンドってぇのは、Live音源になると良さが三倍になるんだよねぇ。

サウンドチェイサー

サウンドチェイサー

  • Rage
  • メタル
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes