40にして惑わず。
いや、絶対嘘だね!
嘘だと言ってよ!バーニィ!
さて、現代社会に生きている以上、迷ったり惑ったりしない人間なんて、SSR級の化け物か、愛すべきバカ(本心からの褒め)くらいでしょう。
世界は毎秒流れ、周り、巡り、変化しながら、その渦中で我々はただただ翻弄される。いつまで経っても同じことに悩み、ぐるぐるグルグル堂々巡りの人生。
それでも、良いんじゃないかな?
そんな気分にさせてくれる、エレファントカシマシのto you。
どんな状況に居ようとも、とりあえず顔だけ前を向けりゃあ、前向きよ!ってね。
オープニングから終始響き渡るアコギの音。何とも爽やかで、キラキラしたような滑り出し。
とはいえ決して油断するなかれ。ロックの化身エレファントカシマシ。ちゃんと音を聴けば、パンチの聴いたドラムに、所々で旨味たっぷりの一撃を放つエレキが隠れている。
この一撃、きっと石くんだよなぁ...
何がロックで、どこからがPOPSで?なんて定義は知らないけれど、こだわってロックを演る人の共通点としては、ギターへの執着があるように感じる。
このto youも、適当に聞き流してしまえばPOPだね~なんて感想が出てもおかしくはない。
かき鳴らすアコギは軽やかで、ヴォーカルも爽やかなメロディライン。爽やかな好青年、可愛らしいアイドルが歌っても、それはそれで様になる、良い歌になる気もする。
けれど、そこかしこに現れる、旨味たっぷり、色気たっぷりのエレキギターの音。
楽曲に歌声とメロディラインだけを求めるならば、これらのエレキギターの音は有っても無くても大して変わらない。
なんなら、要所のエレキギターの音が良いよねぇ~と言われても、「?」な人だって居るでしょう。
それが良い悪いというのではなく、そういうエレキギターの音を入れ込みたくなるのが、そして聴きに行ってしまうのが、「ロック好き」なんだろうね。
エレカシの歌詞って、なんでこうも世の中の最大公約数をかっさらって行くんだろうね。
俺の明日はどこだろう?
そりゃあ、どこかで聞いたことがあるフレーズだろうし、目新しい表現ではないかもしれないけどさ。
世の中の色んな人の、色んな人の悩み、不安、恐れ。大半は「俺の明日はどこだろう?」の一言で、ずばっと因数分解出来てしまうよね。
高層ビルをマストに見立てるところなんかも、センスなんて安い言葉が適正かどうかは置いといて、良いセンスだよなぁ。
高層ビル達が世の中の風を受けて、街の、国の、進む先を決めていく。文明や発展みたいな「肯定的な匂い」と、コンクリート社会の冷たさのような「否定的な匂い」も一発で込めてしまう。
そしてこの記事のタイトルにも入れた通り。
揺れる想い、引きずり回して進め!
ねぇ。そう言ってくれるのって、ありがたいよねぇ。
夢は叶えるもの。理想は少しでも近付かなきゃならないもの。問題は解決しなきゃならないもの。常に回答を見出していかなければならないもの。
無理っすよ。ホント無理。
問題はなくならないし、悩みだって尽きない。当たり前の話なんだけれどもね。
そんな揺れる想いは、そのまま引きずって行きゃあ良いんだよ。
みんなそう生きているんだよ。
解決出来ない君の何かが悪いんだ、なんてこたぁないんだよ。
何となく、風の向くままに。歩いてきゃあ良いんじゃないですかね。