ヘヴィメタルと一口に言っても、ジャンルや形態はもう星の数ほどに多様化してしまった今、「正統派メタル」とか、「ピュアメタル」みたいな言葉が現れた。
ヘヴィメタルって、これだよね?って言いたくなるような、こってこてなベタメタルを聴きたくなったら彼らの出番。
スウェーデン出身というところも、正にメタルの王道。伝統美にこだわりを持った活動を繰り広げるHammerfallのFury of the wild。
王道の良さもありつつ、しっかりとキャッチーな特徴を持った名曲です。
Hammerfallって、どういう意味なんだろう。ハンマーを振り下ろす、みたいな意味なのかな。
日本のサブカル文化では、剣みたいな武器が王道だけれども、泥臭く、巨大なハンマーと圧倒的なパワーで敵を打ち砕く、みたいなの、良いよね。
果てさて、正統派メタルとはいかがなものか?
イントロはギターの音のみでスタート。この曲のメインになるリフをギターが単独で奏でる出だし。
いいよいいよ、正統派だね。
そこにまずはシンプルに叩きつけるようなスネアが参戦。雑味のないビートでリフをじっくりと聴かせる。まるでこれから始まる楽曲の自己紹介のよう。
いいよいいよ、正統派だ。
そして全員が合流し、ハイトーンなシャウトからヴォーカルも滑り込んで来る。
いいよいいよ、まごうことなき正統派だ!
しかし、メタルの世界に足を踏み入れ、あれやこれやと正統派メタルを聴いていると一時的に陥る罠がある。
なんかどれも同じような感じで、カッコ良いんだけどピンと来ない。
自分だけだったらごめんなさい。
しっかりと聴いていけば、同じ曲なんて二つとないわけで、当然それぞれの特徴に意識が向くんだけれども。
アルバムを聴き始めたら、全体的にカッコ良いんだけど、何となく耳が何かに引っかかることなく聞き流してしまった、みたいな。そんな時期がありました。
そんな時にもぐっと耳を引っ張っていくのが、解りやすい聴きどころ。解りやすい特徴。あーこの曲ね!と印象に残るフレーズ。
それは二度目のサビで訪れる。
サビのキメのフレーズ、Fury of the wildは、一度目のサビではさらっと唄われるんだけれど、二度目のサビからはブレイクを用いた「タメ」が入る。
Fury of the... ゥワァーーーィルド!
この一瞬のタメが、気持ち良いのよ。
くるぞ...くるぞ...キターみたいな感じで。サビで、楽曲タイトルを持ってきて、しかもキャッチーに聴かせる。
これもまた、音楽として正統派。
正統派なメタル聴きてぇな、って思ったら、Hammerfall聴いとけば間違いないよ!