メロスピはよき。
疾走感、力強さ、キャッチーなメロディ。解りやすいカッコ良さがあり、鉄板である。
だがしかし!激重ミドルテンポの曲こそメタルの真髄。
正に鋼鉄。重く、じっくりと、しっかりと。
鋼の甲冑に身にまとった重装歩兵が押し寄せるかのごとく。
Dream evilのMade of metal。
我らは鋼鉄。何者も我らの魂を折ることも、曲げることも、出来はしないのだ!
高速で激しい曲に併せてヘドバンをガンガン繰り出したくなるのもメタルの魅力。
そしてこの曲のようなミドルテンポの曲を聴き、ゆっくりと、大きく体を揺らしたくなるのもまたメタルの魅力の一つ。
スノーウィ・ショウの放つドラムビートは、一発一発のスネアを大事にした叩きつけるような迫力。そこにぐっと速弾きを抑え、重さ重視に寝られたガス・Gのギターが重ねられる。
もう、これがカッコ良くないわけが無い。
ただ、曲の後半に進むにつれて所々でガス・Gの速弾きが漏れ出してくる。「ミドルテンポと言われたのについつい我慢できなくなるガス・G」的な感じがして、ニヤっとしてしまう。来るか?来るのか?速弾きしちゃうのか?
そしてこの曲の真髄は、音にマッチし過ぎた歌詞。
Made of Metal!
Made of Metal!
Made of Metal!
We are!
逆偏見かも知れないけれども。ヘヴィメタルを詳しく知らず、はいはいヘビメタね、というくらいの認識の方は、ヘヴィメタルが何やら派手にバカ騒ぎをする陽キャのようなイメージがあるのではないだろうか。
一方でヘヴィメタルでは、自分達を鋼に例える。金でも銀でもなく、宝石でもない。
鋼鉄には華やかさやカッコ良さはない。地味な見た目ではあるけれど、その力強さは他の追随を許さない。
今日もとでこかでひっそりと目立たずに、工業や世の中を支えているが、ともすれば忘れられて錆びてしまう。
だが、それでいい。
いや、それがいい。
我々は、ぶっちゃけ地味だ。
どう見えているかは分からないけれど、華やかさとか、世の中の流れにすいすいと上手く乗って行く、なんていう生き方とはかけ離れた場所に居る。
そんな欠点を誰よりも自覚しているからこそ。じっくりと努力を重ね、陰でこそこそ鍛錬を積み、耐久力だけは負けんぞ、と胸を張る。
我々は、今日も目立たぬところで静かに何かを守り抜く。
Made of metal!we are!