生まれ変わったら鳥になりたい。鳥になって大空を自由に飛びたい。そういう表現は実に一般的で、あちらこちらで耳にすることがある。
それは国外でも同じようで、Eagleheartという言葉やタイトルは数多く存在するらしい。
鳥になりたいと想うということは、変化したいと願っているということ。それは反面、それぞれの「今」「現実」が、好ましくないということを暗に示している。
翼なんてなくたって、Eagleの「魂」を持って、羽ばたくことは出来るさ!
そんなメッセージがこめられた、StratovariusのEagleheart。良質なメタルの爆音に抱かれながら、今日も勇気をもらおう。
少し前の記事に、ありがたいことにコメントを頂きまして。それをきっかけにふと聴き直したことがきっかけで、この曲について書くことに。
デジタルネイティブとは程遠い自分の世代。こんなちょっとしたつながりだけで噛み締めてしまう。良い時代ですねぇ。
ストラトヴァリウスはメタルの名産地、フィンランド出身。結成は1980年代というのだから、いわゆる大御所枠と言っても良いかと思う。
スタイルとしては大道寄り、シンフォニック感やプログレ感のある曲も多く、激重ゴリゴリというよりは、比較的に色々な人が聴きやすい楽曲が多い。と思う。
このEagleheartも同じく。
アルバムElements,Pt.1のオープニングトラックとなるこの曲は、これから始まる壮大な物語のオープニングテーマにふさわしく、爽やかでヒロイックでカッコいい。
爽快な音に載せて伸びやかな歌声で唄われる内容も、楽曲の雰囲気に違わずに勇気を与えてくれるような、前向きなもの。
とはいえ、「頑張れー」「負けるなー」「勇気だせー」みたいなぺらい内容ではない。
何度も夢破れて。このままどれだけ耐えられるか?先の見えない苦しみに悶える。
けれどその目に闘志は消えず。Eagleheartを持つ君は、遂に大空へ飛び出していく。
幾多の苦しみも全て乗り越えた先に、君は栄光を手に入れる!(超々意訳)
洋楽の何が良いって、日本語ではないところだと思うんです。
日本語ではないからこそ、言葉の意味がそのまま脳に再生されることがない。その言葉、その歌に込められた意味として受け取ることが出来る。
日本語詞の場合、こういう内容を唄われたとしても、つい「きれいごと」に聞こえてしまったり、なんだか軽く思えてしまったりすることがある。
決してそういう楽曲が悪い、という意味ではなくて。国外の言葉によって語られることで、謎の「権威」というか「凄み」を持つ。
直接の母国語ではないことで、歌詞の内容を自分の頭でしっかりと咀嚼し、良い意味で「自分が上手く摂取出来る形に作り替える」ことで、心の中にすっと受け入れることが出来るのではないだろうか。
この曲に限らず、いつもメタルは「勇気をくれるきれいごと」を力強く、説得力をもって私達の心に届けてくれる。
月に1度で良いので、義務教育に「ヘヴィメタル」の科目を追加したいなぁ。