マイツの小部屋

陰キャのための音楽ライフ

Zero_浜田麻里 闇をも切り裂く必殺の歌声

浜田麻里。ご存知の方はたくさんいらっしゃるだろう。

 

その活動の歴史は古く、人によっては様々な印象をお持ちではないだろうか。時にはPOPな歌を唄っていたことも有ったし、その容姿からしてアイドルのようにとらえている方も居るかも知れない。

 

今現在の浜田麻里というアーティストは、

 

ゴリゴリのメタルを化け物のような歌唱力で歌い上げる超人。

 

というチート的な存在となっております。

 

そんな浜田麻里の超絶な歌声を味わうことが出来るのが、このZero。

彼女のポテンシャルを知る人も知らない人も、驚愕のラストが待っている。

Zero

Zero

  • provided courtesy of iTunes

運動神経と同じように、歌唱能力の中の「力強さ」や「声量」のようなものって、やはり年齢と共に衰えることが避けられないと思うんです。

もちろん、演歌や歌謡の大御所だったり。これにあてはまらない方だっていらっしゃるかとは思うけれど。段々と衰えていくというのは仕方がない...ですよね。

 

けれど、浜田麻里という方については...年々増していませんか?声量。

 

圧倒的な声量、どこまでも出る高音、今年で還暦って...嘘だろう?

それくらいパワフルな歌声に、数十年間積み重ねたキャリアと技術が加えられるんだから、脅威というしかない。

 

楽曲の方はというと、ガッチリしっかりとメタルしている。その音に古臭さなんて微塵も感じられない。

それもそのはず、セルフプロデュースの形を取りながらも、世界的な技術者であったり、新進気鋭の若手だったり、確かな実力者とタッグを組むことで、常に新しい風を入れているという隙の無さ。

 

Liveともなれば、その布陣も鉄壁。

コーラスには浜田絵里。実の妹さんということであるが、この方の歌声も異次元。コーラスというよりも二人目のメインヴォーカル的存在。

バンドメンバーは油の乗りまくった技術と経験に溢れるベテラン勢と若手を交えたエリートチーム。神バンドとしても名の知れたBOHさんがベースを務めたりもした。

記念的なLiveともなれば、ゲストが登場したりするんだけれども。

 

高崎晃とかビリーシーンとか。ビリーシーン?嘘だろう?

 

こんな人たちがゲストで来るという時点で、浜田麻里本人のポテンシャルが解るというもの。

 

 

前置きで終わってしまいそうだ。いけないいけない。

このZeroは、現時点で最新のアルバムGraciaに収録。スローテンポで雰囲気としてはバラードと言っても良い曲だけれど、バラードと呼ぶのを躊躇するくらいのエネルギーをぶつけられる一曲。これだからメタルのバラードはやめられない。

 

とにかく歌声のエネルギーがえげつない。

そもそも普通の部分の一声一声が、しっかりと丁寧に唄われているのに、まるで常に叫んでいるかのようなパンチがある。

ということは、「ここだ!」という盛り上がりの部分がどうなるかというと...

 

これはもう聴いてください。凄すぎて笑うしかない。

 

そして、壮大でクラシカルな雰囲気をまとい、間奏部分では重厚なピアノ音が展開されるが、その後では待ってましたの超絶ギターソロがちゃんとある。

ここで「ああ、ヘヴィメタルだったな」と唐突に想い出すことになる。ヘヴィメタルという超絶濃厚な要素でさえ、一瞬かき消してしまうほどの歌声。

 

そこから爆裂リズム隊も加わり、最後のクライマックスを迎えるわけだが。

最後の最後に盛大なクライマックスが待っている。最後の最後の歌詞は「尽きても」なんだけれども、歌詞カードがないと絶対に聞き取れないレベル。

これは聴いてのお楽しみ、ということで。

 

 

 

 

 

この曲、武道館で行われたLiveで聴いたなぁ。

どちらかというと、浜田麻里のファンはあなただった。なんとかチケットを取って宿を予約して、仕事の休みを調整して。いざという時になって、体調を崩してしまったね。

 

田舎者の我々としては、武道館にLiveに行くなんてちょっとした旅のようなもの。不安になる気持ちも解るけれど、はたから見た感じでは、体調の悪さもそれほどではなさそうに見えた。

 

まぁ、自分はいざLiveに行くとなった時に、完膚なきまでにお腹を下したり、結果抜歯になるほどまでに歯が痛くなったり、血尿が出たり、持病の発作が出たり。散々なところを見せちゃったからなぁ。

 

結局は背中を押す形で、Liveに行って。Liveは本当に良くて、楽しくて。一生の想い出になった。

というか、これが最後の武道館Liveの想い出になってしまった。

この時の体調不良が、既に病気の兆候だったんだろうか。なんて思うと。なんとも言えない気持ちになってしまう。

 

このLiveのMCであった、こんな一説を今でも覚えている。

 

今日、この場に居る皆さん。それぞれの人生があって、それぞれの喜びも、悲しみも、色々なことを背負っているんだと思います。

今日は、せめてこのLiveの間だけは。一旦その荷物を肩から下ろして、今という瞬間を楽しんで行ってください。

 

ホントに。Liveって、そうだよなぁ。

一旦荷物を下ろす時間も、必要だよなぁ。そんな時間、欲しいなぁ。

 

Live...行きてぇなぁ。