今まで憧れる人は、いつだってどこかお道化ていた。
あぶない刑事はユージ派だった。シティハンターが大好きだった。
人生で一番尊敬した憧れの上司は、飲み会の最後にみんなに土下座をされて(もちろんネタでね?)、仕方ねぇなぁと言いながら「あの鐘を鳴らすのはあなた」を大事な所で思いっきり外しながら、場を完璧に盛り上げて落とすような神だった。
辛さや苦しさを押し殺し、誰かのために笑って見せる。最高のヒーロー。
そんな最強のヒーローを最強の音色に載せてぶちかまされる、NoGoDのArlequin。
聴く度に奮える、自分的メタル最高傑作のひとつです。
以前に↓の記事で書いたbreak out!と同じアルバムに収録されたこのArlequin。
1曲目にインストで盛り上げ、2曲目で↓のbreak out!でお前はまだまだ行けるぞ!と煽りまくった直後にぶちかまされるこのArlequin。
もうね、歌詞の内容も楽曲の内容も、完璧な構成ですよ。
まずはその歌の内容から。
記事のタイトルにある通り、まるでピエロのように、苦しみも悲しみもあるけれど、全部押し殺して道化てみせよう、君のために笑って見せよう、というもの。
けれどそれは、ただ我慢して笑っていよう、なんて生易しいものではない。例え届かなくても、この命果てても、私は笑っていよう。狂気にも似た覚悟、決意。
そして中盤の「笑え」「罵れ」という言葉。そこに付けられた、「今の内に」という言葉。ここに痺れるわけ。
好きに笑えよ、罵れよ。こっちには事より大事なものがあるんだよ。
という、外に流されずに自分を貫く強さ。
好きに笑えよ、罵れよ。今の内にな...(最後に笑うのはこっちだぜ?)
という、自分の手で何かを掴もうとする強かさ(したたかさ)。
正に漫画に出てくるヒーローそのもの。自分が憧れた人そのもの。自分もこうありたい...
そして楽曲。自分は音楽の良し悪しを判定なんて出来ないし、そこにあるのは優劣ではなくて、食べ物や料理と同じ、好みや自分に合うか否かだと思っている。
食べ物むで言えば、味の濃さはこのくらいで...触感はこのくらいで...といった具合に、パラメータごとに自分の好み、理想が存在する。
自分にとってこの曲は本当に好みのど真ん中ストライク。
ヘヴィネスさやハードさ、メロディ加減、曲の展開、ギターソロの雰囲気等々。色んな要素が自分のストライクゾーンに完全にガッチしている、ということ。
まずはヘヴィなギターで刻むだけの出だし。
そこに加わるこれまた重いドラムのビート。
あくまでも刻み続ける音をベースに、特徴付けたギターが重なるオープニング。
はい、ここまで100点。
バックサウンドは重く刻み続ける中で歌声のメロディが主導権を握る唄い出し。
そこにコードが加わる程度の展開。
サビも引き続きヴォーカルが牽引するけれど、バックは激重サウンドで下支え。
ギターソロも挟みながら段々と頭角を現してくるメタルサウンド。
クライマックスに近付くにつれ、始めはヴォーカルを支えていたバックが、最後にはゴリゴリのメタルサウンドとなってヴォーカルと一体となって襲い掛かる展開。
はい、もう100点。
この曲さえ聴けば、どんな時でも力をくれる。
今日も本当に大事な物は胸にしまい、自分ではない何かのためにエゴを捨てる。
笑いたい奴は笑っていればいいさ。まぁ...せいぜい、今の内は...な(ドヤア