さぁ今週もやって来ました金曜日。一週間、お疲れ様でした。
今週もきっと、大変な事、辛い事がたくさんあって、それでも一生懸命頑張って来られたことでしょう。
そんなあなたの頑張りは、知ってか知らずか、必ず周囲の人の助けになっているはずですよ。
そう、あなたこそがファイティングマン!
ファイティングマンです。Fighting manではないんです。
このニュアンス、解るかなぁ。〇〇マン、みたいな。ちょっとダサい気もするけれど底抜けにアツくてカッコいい、そんなヒーロー達へ送る歌。
ロックの化身、エレファントカシマシのファイティングマン。音楽以外では形容することの出来ない、至高の感動をあなたに。
エレファントカシマシをよく知らない皆さん、ごめんなさい。
このファイティングマンの魅力は、CD音源を聴いても2%くらいしか伝わりません。ライブ音源でも3%くらい。
絶好調のコンディションで放たれた、数時間に及ぶ長編Liveの締めくくりに繰り出されるこの曲を聴いて、初めて100%の魅力を感じることが出来る仕組みになっております。これはもう、そういうものなので...
楽曲として、もちろん良い音、良い歌詞です。
オープンコードで放たれるなんとも気持ちの良いギターサウンドで始まり、骨太でシンプルな構成でガツンと響くロックサウンド。
全編雄叫びのような、全身全霊の正拳突きのような、どこまでも真っすぐに飛び込んで来るミヤジの歌声。
そこに載せられる、かつての若者が書いたのにも関わらず、むしろ年配者達にこそ染みわたるような、これぞエレカシ節と言わんばかりの歌詞。
普通、俺達(楽曲を演奏する側)がファイティングマンで、お前達に力を与えるぞ!という形で展開される。けれどこの曲は真逆。
自信を全て失っても、誰かがお前を待ってる!
お前の力必要さ、俺を、俺を、力づけろよ!
ステージに立つヒーローのようなアーティストではない。その前に居る私が、あなたこそが、正義のヒーローファイティングマンなんだぜ?というメッセージ。
そしてこの曲は、大抵Live本編のエンディング(アンコール前)で放たれる。この構成が、曲を楽しむ上で何を意味するか...
エレカシのLiveをかまされた事がある方なら、もう言わずもがなご存知かと思う。
このLiveはガチだ。みんなで楽しむ、はしゃぐ、ファンと交流する、なんてことは二の次三の次。
エレカシ自身が、エレカシの曲を、120%の最高の形で届けることに、全身全霊のガチガチのガチで仕上げてくる。手加減も油断も一切無し。彼ら自身が、最高の緊張感を持って舞台に上がる。
そんな一切の妥協のない彼らが、クソ真面目に最高の演奏を披露する。数々の名曲に載せて、数々のメッセージが放たれて。観客に居る我々は、とんでもない熱量とエネルギーを与えられる。
時に激しく、時に優しく。舞台上のスーパーヒーローは、これでもかというほど我々を癒し、背中を押し、明日を生きるための力をくれる。
バイキルトとスカラとヘイストとバーサクを掛けられたような我々に、まず解き放たれるのは大抵ガストロンジャーだ。
奇跡のようなLiveという瞬間を共にした我々は、胸を張って生きて行こうぜ!と拳を上げる。そして...ファイティングマンで締めくくられるわけだ。
これまでに体験したことのないような力を見せ付けたエレファントカシマシが、最高潮のLiveの締めくくりで唄うんです。
お前がファイティングマン!ファイティングウーマンだ!ってね。
自分達(エレカシ)に力をくれるのはエビバデ(観客・ファンのこと)なんだ、ありがとう!っていうメッセージも、あるとは思う。
けれど、ファイティングマンを命名された我々は、崇高な任務を持ってLive会場を後にする。
エレファントカシマシという存在によって、偉大なるエネルギーを与えられた我々。彼らは言う。お前がファイティングマンだ。誰かがお前を待っている、と。
彼らがそうしたように、今度は我々が、誰かを助け、力を与え、共に生き抜いてみせなければならない。
なぁ、ファイティングマン。今度はお前が誰かを救って見せてくれよな?
Liveでぶっ叩かれた背中に、まるで手形が残っているかと錯覚するくらい。そこで得られる熱量は、人智を超えたものであることは間違いない。