前日の記事にも少し書きましたが。
大事な人を亡くしてしまった後も、人生は続いてくわけで。その先には暗闇だけではなくて、楽しいことだってきっとある。
正直、いつまでも哀しみに暮れていたいという気持ちもある。それでも前を向いて行くぞ、という気持ちだってある。人間の心っていうのは実に複雑怪奇だ。
この先の人生を想う時、常に頭に浮かんで来る歌詞がある。
君が居ない世界でも笑い続けて見せるよ。
前向きで爽やかにも聴こえるけれど、実際に経験してしまった人ならば、その内に込められた複雑怪奇な人の心の機微を感じぜずにはいられないはず。
この言葉を本心から放つためには、果たしてどれだけの哀しみと苦しみを飲み込みんで、どれだけのエネルギーが必要になるだろう。
MAN WITH A MISSIONのフォーカスライト。デビュー当時から好きな人にとっては未だに一番好きな曲、という人も多いのではないだろうか。
MAN WITH A MISSIONの実質的なデビューアルバムともいえるMASH UP THE WORLDに収録されている。シングルとしても、distanceのB面とかだったかな?両A面なんだろうか?間違っていたらすいません。
とにもかくにも、MAN WITH A MISSIONのデビュー曲と言っても差し支えないだろうと思う。
少しメタ的な視点も入ってしまうけれど。MAN WITH A MISSIONというバンドの魅力は幾つも有るけれども、その一つが類まれな変換能力だと思う。
恐らく彼らは様々なジャンルの音楽が「どっぷりと好き」で、それぞれのルーツもかなり深い印象を受ける。
けれどもその外観や設定?も相まって、彼らは小難しい音楽をやる気は無さそうにも見える。アニメのテーマソングになったり、色々な物とタイアップしたり。雰囲気というかスタイルというか、その立ち位置は往年のJ-POPを思わせるというか、キャッチーさや解りやすさも前面に押し出している。
しかし軽い音楽をやろうなんていう気配もまたなく、マニアックで濃ゆい様々な音楽の美味しい部分を、色んな人が美味しく聴けるような形に上手く変換しているんじゃないだろうか。
古き良き、とも言われるような音楽性と現代の雰囲気をしっかりと混ぜ込んで、「昔ながらのロック!」とも違う、現代にこそ演れる「ロックとはもはや形が違うニューミュージック!」とも違う。
古き良きと現代を絶妙なバランスでブレンドした、カッコ良くて楽しい音楽を作っちゃおうぜ感、とでも言うんだろうか。そんなバランス感覚がすごく好きですねぇ。
そしてまぁ...なんというか。苦労してますよね!
口当たりの良い、どこかPOPにも聞こえる楽曲。その楽曲の裏にはしっかりとした音楽性が見え隠れする。
歌詞についても、英語で表現したり、若い世代にも上手く届くように変換しているけれど。その裏には様々な局面を乗り越えて来た背中が見え隠れする。
まるで物語でよく語られそうなその歌詞の中には、自分達がその足で歩いてきた道と、ここからまた新しい道を歩いていくんだぞ、みたいな心意気も見え隠れする。
何かでコメントしているのを耳にしたことがある。
音楽に世界を変える力なんて無くて、世界を変えるのは一人一人の人間でしかない。けれど音楽はその一人一人の人間に力を与えることは確実に出来る。とか何とか。
そしてこの曲には、こんな歌詞も登場する。
君が残した魔法を、僕らは忘れないから。
これは居なくなってしまった誰かが残してくれた大切な想い出でもあるだろうし、人に力を与えてくれる音楽を魔法にも例えているんだろうな。
そう思うと、この世は何とも素敵な魔法だらけですよねぇ。