マイツの小部屋

陰キャのための音楽ライフ

Adieu_Rammstein で?この映画はいつ公開なんですか?

自分のような古い人間からすると、MVという物の存在意義はあくまでも販促というイメージを持ってしまう。

新しい曲を作って、『広告』のようにアピールする目的でMVを作成する。あくまでも宣伝。それをきっかけに広く知れ渡り、盛り上がり、楽曲やライブが盛り上がって...というイメージ。

だから、楽曲を発表してから相当の時間が立ってからMVを発表するという流れが今一つ馴れない。けれども、Rammsteinを見ているとその思い込みが払拭されていくのを感じる。

 

最高の楽曲発表の後に、MVによってその楽曲の表現がMAXに到達する流れ。

 

もはや映画の予告編...いや、本編にも見えてしまう超絶MV、RammsteinのAdieu。

本編公開が楽しみです...え?そんなのない?これ、音楽のMVに留めて置けるクオリティじゃないっすよ。


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不穏な重低音、DEUTSCHLANDから続く「赤い柱のような光」。Ich willのMVを思い出させる、何やら武装してどこかに襲撃をかけるような雰囲気。もうこの時点で大作の予感しかない。一体これから何が起こるんだ?

この場所、一体どこなんですかねぇ?古くからの建物?博物館とか神殿のようなイメージ?海外のこういう場所、ホントに凄いですよねぇ。「映え」が半端ない。

 

というかメンバーのハマり具合が毎度のことながらずるい。この方々、バンドですよ?アーティストですよ?役者さんではなく、あくまでもギターのリヒャルト!キーボードのフラケ!ということなのに。

リーダー各でタバコに火をつけるリヒャルト、身長2m超えでガトリングガンを寡黙に打ちまくるオリバー、明らかに「ヤバい」リンデマン

 

もう配役というかなんというか、世界観が解釈一致過ぎる。

 

繰り返しますが、この方々はバンドです。アーティストです。

 

そして始まる本編(音楽)。イントロの印象的なピアノ的なメロディ。綺麗、ではあるけれども明らかに不穏な雰囲気。そして放たれるRammstein必殺のギターリフ。超絶シンプル、なんだけれども超絶カッコ良い、練りに練られた手数の少ない必殺の音。

元の楽曲自体は以前から発表されていたし、アルバムのラストを飾る存在として、確かにただならぬ雰囲気はあった。

けれども、こうしてMVが作られ、MVのオープニングの中の「ここぞ」という場面で放り込まれた瞬間に、このAdieuという曲の真価がえげつないほどに発揮されていく。

 

我々一般人には想像もつかない脳の使い方をして、果てしない時間をかけて創作され、多くのプロ中のプロ達の手を渡って作られている楽曲達。そりゃあ「良い」ということくらいは素人の自分にもわかるけれど、無数のニュアンスを果たしてどこまで受信出来ているというのか。

Adieuという曲に込められた様々なものを、MVという映像の形としても表現することで、情報発信の手数が増える、結果として自分のような一般人にも「伝わるニュアンスが増える」という仕組みではないだろうか。

 

MV(映像)も駆使しなければ伝えきれないポテンシャルを楽曲(音)が秘めている。

 

エンターテイメントっていうのは本当に不思議だ。そして面白い。

 

 

果たして、このMVでは最高の楽曲に載せて、ただならぬ世界観が表現されていく。明らかに意味ありげな様々なシーン。タイトルのAdieuや歌詞の内容から、ある種の別れを告げて行く曲だということは明らかだ。

発表当初から不穏に思っていた。この曲を最後に活動を終わりにするよ?なんて言われたとしても違和感のない曲だったから。共に過ごした時間は素晴らしかった、と言いながらも別れを告げて行く姿(楽曲)は、本来の意図に関わらず、私の心を強く強く鷲掴みにしていた。

 

別れとは誰かの事か?

自分自身のことなのか?

あるいはこれまで過ごしてきた時間?時代のことなのか?

 

間違いないのは、幸福であったこと、そしてこれからもナニカは続いて行くこと。

 

結局どう受け取って、どう解釈して、どう咀嚼するかは受けて次第ですからねぇ。

 

今朝夢を見まして。自宅に居てね。インターフォンが鳴って玄関に行くと、すりガラスの向こう(ホントは当然ガラスなんかじゃなくて普通の玄関ドア)にはこの世を去ってしまったパートナーの姿が。

夢の中、不思議にも思わず自然と扉を開けると、そこにはもう何年も見ていない、この先何十年も見られなくなってしまった満面の笑顔があった。闘病していたどこか辛そうな顔ではない、その影響で様変わりしてしまった外観でもない、どこまでも楽しく幸せに暮らしていた時の「お出かけ」スタイルの笑顔。生前見せたことあったか?とも思っちゃうくらいに(笑)一切の曇りもない笑顔。

その瞬間に目が覚めてしまった。現実に戻り、とてもとても悲しくて辛くて。けれど久しぶりにあの笑顔が見れたことが、何よりも嬉しかった。

少なくとも自分の人生は、こうしてえっちらおっちらと、もう少し続いて行くようで。

 

ちなみに、そもそもこのMVには様々な要素も隠されている!なんていう話もあるそうですよ。

Adieu

Adieu

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