マイツの小部屋

陰キャのための音楽ライフ

Flower_Gackt これは別れの曲か?それとも夜明けの曲か?

普通に出会って、これ良い曲だな~と好きになったとして。

曲の内容というか、世界観というか。伝わってくるメッセージはとても悲しいようで、希望もあるようで。他人事として見る「物語」の一つのエンディングテーマのように、感慨を受けていたけれど。

自分がその物語と現実に出会ってしまうことで、曲の重さが増してしまい、聴きにくくなってしまった曲、結構あるんですよ。皆さんはどうですか?

 

解りやすいのは「別れ」の曲。世界各国・人類歴史上の全ジャンルで一番「歌われている」のは愛や恋の曲なんだろうと思うけれど、別れの曲ってのも相当な数があるんだなぁ...ということに気が付く今日この頃。

 

本日、じっくり聴いているのはGacktのFlower。

元から凄くカッコ良くて、物語も好きで聴いたこの曲。自分が当事者になる日は来て欲しくなかったけれど、楽曲の味わいは十倍増しになるという...人生はいつも痛し痒しです。


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いつからだろうか?それとも、自分の世代だけ、自分の周りだけに存在していた空気なんだろうか。

ベタな表現はダサい、ストレートな言葉に価値はない、カッコ付けてるやつはキモイ、なにマジになっちゃってんの?wみたいな雰囲気。

そんな雑音をものともしない、というか知ったこっちゃない、ただひたすらに突き進む姿勢が好きでメタルにはまった自分としては、Gacktには音というよりも姿勢にメタルみを感じるところがある。

 

俺の考えたコレ(曲とか考え方とか)、カッコ良いだろう?ドヤァ

 

それで良い、いや、それが良い!人は誰だって、カッコイイ人や物、可愛い人や物、好きでしょう?

昔、考察系?複雑系?意味深系?の音楽を崇拝する知人が、メタル好きな自分を「あぁ、カッコ良ければそれで良いんだね、君は?」と小馬鹿にして来た記憶がある。

今ならこの知人も、自分自身も一切否定せずに、何の怒りも躊躇いもなく胸を張って言える。「うん!カッコ良いのが好き!」ってね。

 

 

はてさてこのFlowerという曲。カッコ良いです。

ハードめでキャッチーなバンドサウンド。小難しいことはあまりせず、ストレートにカッコ良い楽曲。歌詞の世界も比較的シンプルで解りやすい物語。MVでも描かれているような、幸せだった日々、時代、亡くしてしまった存在と哀しみ。共感出来る人、自分を重ねてしまう人も多いかと思う。

 

この曲にエンディングの雰囲気を感じるのは、音もそうだけれど歌詞の内容ではないだろうか。亡くてしまった、哀しみが溢れているけれども、ある程度「何かを為した後」という雰囲気を感じる。

あくまでも物語としては、何か大きな戦いを乗り越えて新しい時代を迎えたような話。現実的には、ある時代を生きて、今もまた生きているということ。失ってしまった哀しい出来事そのものは「少し前のこと」で、時間が過ぎて行った後にふと思い返しているという感覚。

 

すげぇリアルに言えば、一周忌を終えて引き続き自分の人生は続いているくらい。

 

歌として綺麗に表現しているけれども、言っていることはその通りだなぁ...と思う。

嬉しくて楽しい毎日!ではないけれど、秋から冬に向けてのこの時期の青空はやっぱり綺麗だし。風が気持ち良い瞬間だってあるし。美味しい物を食べればやっぱり美味しいし。

哀しみから立ち直った気なんてしないし、立ち直りたいという気もしない。立ち直るっていう概念が、そもそも無いんだと思う。元に戻ることなんてないし、「欠けてしまった人生」がこれから続いていくだけの話。

 

それで良い...いや、それが良い!ずるずるずるずる続いて行けば、今はそれで良いよ。

Flower

Flower