マイツの小部屋

陰キャのための音楽ライフ

Higher than the sky_RAGE お正月にぴったりなメタルをドイツよりお届け

お正月も本日で終わり...(正気か!?)、お正月ならばお正月にぴったりなメタルを聴きたい。書初めで言うところの「迎春」とか「飛翔」とか。めでたいというかなんというか、ここから華やかに舞い上がって行くような勢いをくれる曲。

 

と来たら、ここはドイツより来るの重鎮の力を借りるしかない。

 

ドイツのベテランバンドRAGEの18番とも言えるこの曲、Higher than the sky。個人的な最強メンバー構成であった頃のライブ映像と共に。

youtu.be

 

Higher than the sky。あの空よりも高く!なんて。何ともお正月にぴったりじゃありませんか。タイトルとしてはとても華やかで、多分色々なところで使われているフレーズ、誰が歌っても良さそうな鉄板のモチーフ。

でもこの曲を唄うのは、夢と希望が溢れる若いイケメンでもなく、美少女アイドルでもなく、芸術感をまとうフォークシンガーでもない。(このライブでは)ドイツ、ロシア、アメリカから集った屈強な漢達が放つ最強ヘヴィメタルだ!

 

 

Higher than the skyはライブのラストを締めくくる鉄板ナンバー的なポジションの曲で、ライブ専用の構成が存在しているようなイメージ。この映像とスタジオ音源とでは始まり方から終わり方まで結構違っています。

イントロのギターの音色と歌声から解る通り、この曲のメインメロディは実に色っぽい音感を持つ。ヘヴィメタルの重さと激しさとは別に、うっとりするような旋律が隠れていることを確かめたところで、バンドサウンドとしての本編がスタートしていく。

 

ご覧の通り、彼らは3ピースバンド。ベース、ギター、ドラムの3人だけで織りなすにはあまりにもアグレッシブな音圧。そして3ピースならではの無駄のない構成、しっかりと設けられた音の余白。「この音がカッコイイからこの音を聴けばいいんだよ」という漢気溢れる案内表示に従って、我々は素直に耳を傾けるだけで良い。

 

歌いたくなるようなキャッチーなサビ、必殺のギターソロを経てたどり着くはライブ版限定の幕間。疾走するギターソロとはまた趣きの異なる、色気たっぷりのサウンドをバックに観客達が大合唱するお決まりのシーン。

この時間は最高のライブを放ち、そして堪能した最後の最後に訪れるボーナスタイムだ。演者は観客達を労うかのような染み入る音を提供し、観客達は最高のライブへの御礼とばかりに賛辞の合唱を贈る。

ちょっと一息を入れながら、演者と観客がお互いをたたえ合い、この場で出会ったことを喜び合う。お前達は、いや、俺達は最高だったよな?一つになれたよな?と肩を叩き合う。

 

共に共有したナニモノカを確認し合い、愛でるようなこの時間。好き。

 

そこから必殺のサビへと立ち戻り、最後の炸裂ギターと共にメンバー紹介を経て、ライブは終焉へと相成ります。

 

 

こんな最高の音の中で歌われる歌詞は、確かにHigher than the skyというタイトルにまごうこと無きものではあるのだけれど。そこはヘヴィメタル

 

この命尽きて、消えてしまう時が来ても。俺達は一つだ。(超々意訳)

 

屈強な漢達がこの歌詞を唄うことの意味よ。気持ち、心持、考え方の意味合いだけではなく、化石や考古学に趣きを持つピーヴィー率いるRAGEの楽曲という点も、この歌に独自の説得力を持たせている。

僕らはみんな仲間だよ、という概念的なことだけではなく。生物は皆、この地球という壮大なゆりかごの上で、長い長い歴史の一旦を担う存在であるということ。

 

我々人間は数えきれない「生きる個々の細胞」の集合体。例えば髪の毛の細胞の1つ1つに個別なアイデンティティーは成り立つだろうか?細胞AとBの個々の在り方について、意義はあれど、思い悩むのは不毛に感じやしないか?

生物は皆、この地球の細胞のようなもの、全体の中の一部であり、細胞のようなものであると考えたら。我々個人のアイデンティティーの在り方に「意義はある」けれど、思い悩む必要なんて...ないのかも知れない。

 

所詮大き過ぎる地球の一部に過ぎないのならば。どうせ元々はみんなで一つならば。小難しく考え過ぎず、与えられたこの生と役割をエンジョイすれば、それでいいのだ!©天才バカボン

Higher Than the Sky

Higher Than the Sky

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