マイツの小部屋

陰キャのための音楽ライフ

Extraction zone_Dragonforce おせちも良いけどカレーもね!的なやーつ

新年も明けまして早数日。

当然のように三が日が高速で過ぎ去り。

当然のように仕事も始まってしまい。

当然のように週末も訪れてすっかり日常が繰り返されるターンに入っている。

 

おせちも良いけどカレーもね!は相応の年齢の方には馴染のあるフレーズでしょう。おせちみたいなお正月の食べ物も良いけれど、カレーみたいな子供も喜ぶいつもの食べ物も良いよね!というキャッチコピー。

新年を飾るような音楽、決意を新たにするような音楽だったり、最新や流行りの音楽等々をご紹介して来ましたがそろそろカレー的な音楽を欲しがる頃合い。

 

欲しいんだろ?な?あいつが欲しいんだろ?

 

ヘヴィメタル界、特にメロスピ界のみんな大好きカレーライス!疾走することに全振りしたDragonforceのExtraction zone。新年のあれこれは一旦その辺の段ボールに入れておきましょう。そしてこの曲を聴いて、みんなで楽しく疾走だ!

エクストラクト・ゾーン

エクストラクト・ゾーン

  • provided courtesy of iTunes

 

デーデデーデーデーデー♬というイントロは、どこかレトロなゲームを想起させるメロディ。この曲が収録されているアルバムタイトルはMaximum Overload、ジャケットの雰囲気は正に電脳だ。スタート数秒で、ゲーム好きを公言している彼らの放つ世界観に一瞬でDIVE出来る。

そんなイントロから間髪いれず、初っ端からブラストの嵐。とにかく速ぇ速ぇ。音がやたらと強ぇ強ぇ。イントロを経てAメロBメロと王道の構成をしているのにも関わらず、たったの40秒足らずでサビに突入していく。

 

もう、実家のバーモントカレーくらいの安定感。カレーしか勝たん。

 

そしてサビは楽曲タイトルを繰り返し叫んでいくこれまた鉄板スタイル。疾走していく中でもしっかりとキャッチーさを残すことで、走り去りながらも脳裏に楽曲の爪痕をザックリと刻みこんでいく。

サビの後にはミドルテンポの美味しいリフを挟み込む。疾走し過ぎて我々の方が息が切れてしまうところをしっかりとケア。カレーライスに福神漬けを添えることを忘れず、更に福神漬けのクオリティにもぬかりはない。

 

そこから必殺のギターソロへ...行くんだけれども。クリーントーンのカッティングギターと電子音で構成されたまさかの展開!電脳世界や仮想空間、それこそゲームのようなモチーフを丁寧に描いているではないか。

驚きを隠せないでいるところにぶち込まれるギターソロは、ややミドルテンポ。しかもブルージーで色気のある音色だ。楽曲展開もドラマチックに、ある意味でヘヴィメタルの様式美に沿った壮大な迫力を伴いながら、襲い掛かる。

 

Dragonforce、こういう音も出してくるんだな。こういう展開も出来るんだな。凄いな、こんな曲も良いよな。なんてこちらが日和った隙を彼らは決して見逃さない。新たな展開への驚きと一抹の口さみしさを覚える我々に放たれるのは、これぞDragonforce節!と言わんばかりの超絶必殺超々高速ギター。

 

あーもう勝ち。優勝。あんたが大将!

 

おせちは良いけどカレーもね!といって手に取ったはずのカレーの皿の中にも、いつもの安心の味のような要素と、新しく工夫を凝らされた要素が詰まっている。

Dragonforceと言えば超高速疾走系と言われて久しいけれど。速さを追い求めるからこそ、こうした「速さをしっかり楽しませる手立て」も日に日に巧みさを増していく。

変わらぬ何かを続けるために。自分がこれぞ!と思った物のみに専心するために。結果として新しい物を取り入れ、引き出しが増え、彩りが広がって行くという素敵な矛盾。

 

それもう何したって美味しいじゃん!というカレーを、いつまでも、本当に美味しい物として保っていくにはどうすれば良いのか?何が必要なのか?...今日もまた、メタルは我々に道を示してくれる。