時は土曜日。仕事という悪魔の呪いから解き放たれるひと時の幸福。そんな昼下がりに思う。「今日はどんな音楽を聴こうかな?」その瞬間は何にも代えがたい至高の時。久しぶりにYouTubeのおすすめにサムネが見えた瞬間に即決する。「君に決めた!」
早速DVDを引っ張り出して、サザエさんのエンディングよろしく、我が家が暴れ狂わんばんりの爆音で名曲を愛でる(安心してください、ド田舎なんで隣家なんて存在しません)。
Rammsteinの最強ライブパフォーマンスで、日頃の疲れも何もかも、Benzinぶっかけて焼き尽くしてしまうのです。
ん?最近も何かをやたらと燃やした記憶が?まぁ、メタラーならば燃やしてナンぼよ。
炎の魔神、Rammsteinに相性ぴったり、「ガソリン」を意味するBenzimという曲を公式公開Liveと共にご紹介。圧倒的な爆音と圧倒的な火炎で、シャレオツな昼下がりを演出だ。
今まで何度かRammsteinをご紹介して来ましたが、遂にライブパフォーマンスについて触れてみましょう。その内容は、もうライブ映像を御覧になればおわかりかと思う。
彼らはめちゃくちゃ燃やします。えぐいほど燃やします。
でかい会場を引きで撮影しているからか、はたまた自分が見慣れてしまったからか、うわー火が出てるよーというシンプルな感想になってしまいますが、冷静に映像を見て欲しい。
あれだけの大きさのステージを埋め尽くさんばかりに広く、10mを軽く超えるほどの高さまで火炎が立ち上るわけですよ。舞台上の演者は、べースのオリバーなんて身長2m超え、屈強な大男達を軽々と包み込むわけです。
よくある巨大クラッカーみたいな、ドカーンと破裂音と共に紙吹雪が舞うようなギミックとはワケが違う。マジもんでガチもんの炎が舞うわけで。いや...これ普通に迫力通り過ぎて怖いと思うよ、最前。
楽曲のクライマックスではヴォーカルのリンデマン自らが巨大な炎を放つ火炎放射器を操り、もちろん完全防備を固めた相手にステージ上で狙いを定めて炎を放つ。
ステージギミックならば、遠くで炎が立ち上るだけ。演者は決められた場所で、手順通りに演奏すれば良いだけなんだけれども。演者が音楽を演奏しながら、実際に火炎を操作する。一歩間違えれば大事故につながりかねない。
安心してください!リンデマンはガチでパイロ技師の資格を持っています。
リンデマンは様々な形で炎を操る。火炎放射器を操ったり、時には自身が炎と煙に包まれたり、とんでもサイズの火炎ギミックを装着してみたり。
もう、ライブパフォーマンスが派手。ちょっと工夫してみた。なんてレベルは飛び越えている。彼らが日本でライブが出来ていないのも、消防法が理由なんじゃないか、という説もあったり。
あーもう、曲の話無しでここまで来ちゃった。
楽曲の方はと言えば、もう安全安心のRammstein節。最強に美味しいリフを、最高品質の技術で放ち、屈強なリズム隊が支え、リンデマンの低音ヴォイスがうねり回るという鉄板の構図。
ぱっと見だけでは、彼らの音楽は本当にシンプル。奏でる音楽は、譜面だけで見れば実に簡素。サビだって、ベンズィーン!と連呼するだけ。ツインギターでありながら、メタル然とした長々としたギターソロは基本的に無し。
それでも、とてつもなく重く、激しく、魂を揺さぶられる音であるのは、もうお聴きの通り。これこそ音楽であり、芸術であり、エンタメである。楽曲だけでもこれだけの迫力があるのに、ライブパフォーマンスにも一切のぬかりは無し。
彼らはライブ全編を通して基本的にMCというものをしない。派手に、奇想天外に、時には破廉恥に暴れ回る彼らは、終焉時には深々と礼をし、君主に相対する騎士のような姿も見せる。
このとてつもない音楽性とは裏腹に、音楽というものや観客、自分達の向かう先にあるものへの圧倒的なリスペクトと紳士な立ち振る舞い。とてつもなく軽く雑魚い表現になってしまうことを許して欲しい。
ギャップ萌え...だよね。
炎というものは太古の昔から、人類にとってなくてはならないツールであり、畏れ、敬い、崇拝する対象であり。どこか神秘的な、神聖な、癒しを与えてくれる存在でもある。そんな要素もまた、彼らの放つ、一見毒々しい音楽の先にある普遍性と相まって、より世界観を盛り上げてくれるんですよ。
あぁ...キャンプファイアーしてぇなぁ...