マイツの小部屋

陰キャのための音楽ライフ

Architects of Doom_Blind Guardian だからさぁ...アーティスト名の時点で勝ち確なんよ

久しぶりに店頭でCDをその場買いしたシリーズ第二弾。店頭に行った時に、「おーこのバンドも新譜出してるのか!」とその場で知ることのうれしさと楽しさったらないですよねぇ。その音楽を聴きたい!という耳の欲求?に加えて、商品として購入したい!という購買欲求をも刺激される不思議。

無数の選択肢を目の前に出来てしまうこの時代。無限に近い選択肢の中から自由に選び取るということは、一方で無限に近い物事を諦めていく作業に近い。だからこそ、こういうちょっとした縁やきっかけを大事にしたいですよ。

 

と自分に言い訳をしながら、今日も今日とて散財していくわけです。

 

本日ご紹介しますは、バンド名の時点で完全勝利しているBlind Guardianの新譜より、Architects of Doom。もう安心安全の仕上がりとなっております。


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Blind Guardianはこれまた独自の特徴をしっかりと持ったバンド。そのバンド名からも解る通り、ファンタジーな世界観を用いた楽曲が多く、今回の新譜のジャケ写もなんともまぁカッコいいこと。PS5の新作だよ!と言ったって通じるくらい、そっち方面のカッコ良さに全振りしています。

 

ファンタジーか、じゃあシンフォニックメタルだね?という問いには、YesでもありNoでもある感じ。もちろんオーケストラとガッチリタッグを組むこともあるけれど、彼らのファンタジー触感を放つ源泉は、オーケストラでも、キーボードでもない。

 

純粋なパワーメタルをもって、超絶ファンタジーな世界を奏でるって、難しいですよ。

 

ヴォーカルの特徴のある声質と歌い方。

圧倒的なコーラスワーク。

独特に調整されたギターサウンドと、しっかり「作曲」されたギターソロ。

これらの要素が絡み合った結果、あくまでもバンドサウンドを奏でているのに、その音色だけで我々を剣と魔法のファンタジー世界へ異世界転生させてくれるってわけ。これがあまりに匠なもんだから、はいはいオーケストラね...と思ってたらガチガチのギターサウンドだったりするわけです。

 

そして本作。ファンタジーでありながらもどこかSF的な近未来さも感じさせる世界観。その辺りはジャケ写にも表れていますね。シンフォニックな雰囲気≒古風という構図になりがちなところだけれど、イントロからしてどこか電子的に輝くSF感と浮遊感が気持ち良い。

音としてはガチガチのパワーメタルが繰り広げられる中で挟み込まれる際立ったギターサウンド。例えば1:20辺りのところ。この音が実に巧妙で、世界観の構築に一役買いつつも音として美味しい。ついついあそこのフレーズを聴きたくなってしまう、この楽曲を特徴付ける決定的な薬味のように効いて来ます。

 

しかしホントにBlind Guardianのギターの音色はBlind Guardianの物ですよね。いや、そりゃそうだろう、という所なんですが...

普通に考えたらその辺りの空気感はキーボードを使って表現したくなりそうなところを、あくまでもギターで表現する。だからこそ生まれる世界観みたいな物がオリジナリティになっているんでしょうね。

 

どんな音も様々な手段で出せる時代。だからこそ、敢えてギターで放つことの意味。

 

そして冒頭に還って行くわけですね。無限の世界の中から縁やきっかけを元に、制約の中で誓約を立てていくといういつものやり口。きっとこの辺に、成功の鍵がある気がしてならないんですよ。

Architects Of Doom

Architects Of Doom