マイツの小部屋

陰キャのための音楽ライフ

洗礼_人間椅子 来たる新年度、いざ洗礼の時

4月1日。日本に於いては年度の初め、期の初め。誰にとっても区切りの時。心機一転、想いも新たに、仕切り直しが入るような。誰しもそんな気持ちになるというもの。

いわんや、退職を済ませた私をや、ですよ。何ならお正月よりも区切り感が強い時期かも知れません。

 

こんな特別な時は、やっぱりランダム再生ではなく聴くべき曲を狙って行きたい。色々と曲を転がしてたどり着いたのはこの曲でした。

 

心機一転の気持ちも高めつつ、ごん太の激熱リフを聴きたいならばこれしかねぇ。

 

今尚続く30年以上の活動の中で、現編成に変化した節目の一曲。それがまた、今尚名曲の一つとして数えられるほどの出来の良さ。変化を遂げることの成功例として、是非ともあやかりたい。

人間椅子の洗礼。当時の音源も最高なのですが、今現在のライブでひねり出される音は化け物級の迫力を持っておりますよ。


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もうね、イントロどうですか?「ふーん」って思ったそこのあなた、スマホなんかで適当な音で聴いちゃダメよ?しっかりとした環境で、引くほどの爆音で聴いて欲しい。とてもとてもシンプルな音数、シンプルなリフ。シンプルなドラム。その中に込められた圧倒的なUMAMIに反応するようになったら、あなたもメタラーの仲間です。

 

この曲はベースの研ちゃんこと鈴木研一が作曲しておりまして。彼の作る曲はマジでシンプルイズベスト、引き算の美学。このリフカッコ良くね?という音を、どこまでも美味しく食することだけを考えた構成。

サビから中間部に至るまで、とかくシンプルな音で構成されているこの曲ですが、そのどれもがシンプルでひたすらにカッコ良い。そこかしこでブルージィなギターが炸裂しているし、どこを切り取っても余計な音は無し。

 

歌声、ギター、ベース、ドラムだけが存在するシンプルで、そして完璧な世界。

 

足し算の美学も、その素晴らしさも大好きです。飽和させる方向で音を重ねることで、圧倒的な迫力を生むことだってあります。ただこの引き算の美学パターンの曲は、とにかく聴きやすい。必要な音以外は何も聴こえてこないわけですからね。

バックで特殊効果的な音も無し、一切の飾りつけ無し。高級なお寿司屋さんで、目の前にすっとお寿司が一貫だけ出されるような姿。さぁ、これを喰らってくれ!それだけであなたは幸せになれるから!という職人プライドが見えて来るかのよう。

 

この最高のUMAMIを持つリフ自体は、とてもシンプルなのでね。お手頃な安物ベースで良いのでね、アンペグのアンプに直結してですね、ご近所迷惑になるくらいの音量で、一回弾いてみて欲しいんですよ。

 

これを味わうだけで、8割のひとはHR/HM沼に墜ちると思うんよなぁ、本気で。

 

 

人間椅子はこの曲が収録されたアルバム「三悪道中膝栗毛」から現メンバー編成へと変化しました。具体的には、ドラムが前任の後藤マスヒロから後任のアニキへチェンジ。あぁ、アニキってナカジマノブね。

バンドの変遷というのは本当に面白い物で、当然だけれども「変化」なんですよね。進化とも退化とも違う。

 

前任の後藤マスヒロのドラムプレイはとても凄まじいもので、圧倒的な技術と手数、プログレ感を出させたら右に出る者はいないくらいの、えげつない技術を持っている方でした。この頃の楽曲もまた素晴らしく、現メンバー編成では当時の楽曲の持つ雰囲気を完全に再現することは出来ないでしょう。

一方で後任のアニキもまた化け物。全てを押し上げて行く圧倒的なパワー、エネルギーと唯一無二の「ノリ」。ドラムという物はリズムを表現するものでありまして、個々人が持つ独自のセンスが強烈に発揮される側面があります。これもまた、旧メンバーでは現在の楽曲の表現は絶対に出来ないわけで。

 

 

個性が大事!多様性を認めよう!と声高に叫ばれる昨今。現実には強烈に〇と×が付けられていく世の中にも感じます。正しい考え方、正しい生き方、挙句の果てには正しい人生のしまい方、なんて言葉も聞いたことがあります。やれやれ...です。多様性を認めてくれるんじゃなかったっけ?

 

本日4月1日をもって、私を含めて多くの人が「変化」するはずです。それは〇でも×でもなくて、ただ「変化」するだけの話。交差点を直進するか、右折するか、左折するか、それだけのことですよ。

目的地は自分で決めてokなものですからね。道中だって自分で決めて行きましょう。

 

どうせなら、面白そうな道、歩いて気持ちが良さそうな道を選ぶでしょう?

洗礼

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