マイツの小部屋

陰キャのための音楽ライフ

Until the world goes cold_Trivium いつかは行きたい、ノットフェス

先日のラウドパークに続いてのノットフェス、盛り上がったようですねぇ。自分、フェス経験無いんですよ。いつもいつも羨ましく眺めていましたが、今回はTHE冠のO.Aも有ったりと、いつにも増して「行きたさ」が全開。

当然のことながら、世界中の超一流バンドが出演するこのノットフェス。普通にやばいですよね。参戦は出来ずとも、参戦したバンドに想いを馳せながら、あらためてその楽曲達を味わってしまうというもの。

 

個人的な好みとして、ミドルテンポの大きなグルーブを描かせたら天下一。

 

重く、ヘヴィメタル味は持たせつつ、どこか洗練されたスタイリッシュさも感じさせる21世紀世代のテクニシャン。

今回のノットフェスでも活躍を見せてくれた、triviumのアルバムSilence in the snowからUntil the world goes cold。激しく疾走するというよりも、じっくりとした旨味を味わう一曲となっております。


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Triviumアメリカで結成されたヘヴィメタルバンド。1999年結成ということで、正に21世紀世代といったところ。我々の年代としては、「21世紀だ!」という幕開けをとても多感な時期に体感して来たわけですが、その21世紀も既に20年以上が経過している...なんとも眩暈のする現実です。

 

ヴォーカルを務めるマシューはバンドの創設者であり中心人物。日本生まれの日系アメリカ人というポジションとしても、つい好意的に見てしまいます。ライブではちょっとした日本語のコメント?MC?も聴かせてくれたりするようで、そういう一幕も嬉しいですよね。

今や普通なことなんだけど、昭和生まれの我々にとっては、日系のひとが海外でガチでやってるというだけでカッコ良く見えるんですわ。

 

この楽曲の雰囲気からも解る通り、その音楽性は実に絶妙。メロスピのような疾走感や華やかさ、デス系のようなヘヴィネスさ、モダン系のお洒落さ、どれもが「それっぽい要素」があるようでないようで。上手い事取り入れて、混ぜ込んで、一つのオリジナリティの形としているような。

バンド名のTriviumは、「トリビア」の複数形らしいですね。色々な音楽性を独自にまとめあげるような、そんな意図が込められているのだとか。

 

イントロからして、この楽曲の雰囲気を決定付ける印象的な旋律のリフが響き。

並走するのは重くヘヴィな低音で刻むようなリズムサウンド

乾いたキックの音が心地よい、ついついノリたくなるCoolなリズム。

曲によってはデスヴォイスも操る中で、この曲での選択は実にクリーンな歌声。

サビのようなインパクトを持たせる局面では実にメロディアスな音が奏でられる。

しっかりと美味しいギターソロターンも聴かせてくれるし。

緩急を取り入れた様式美的な展開の楽しみも完備という隙の無さ。

 

激辛系ラーメンかと思いきや、食べると美味しく後味も爽やかというバランスの妙。

 

以前ご紹介したSHOGUNのように、もっとギッチリとゴリゴリ攻める曲も多い中で、この曲のように巧みなバランス系の曲も多いんですね、Trivium。聴いて最高!カッコいい!と楽しみつつも、「音楽が」巧いなぁ、すげぇなぁ、と感嘆してしまいます。

meischland.hatenablog.com

 

Until the world goes coldという言葉もまた、色々と考えさせられますねぇ。coldという表現がまた...ねぇ。物理の話として、全てのものは熱力学的な死へと向かっていくと言われますが、世の中もまた、変化を繰り返しながらも日に日にcoldへ向かっている...そんな気がしてしまいます。

 

人間社会という物も、より安定する方向へ進み、より不安定さが取り除かれる方向へ進んでいる、と言えると思うんですよ。もちろん世界中のあちこちで問題があるけれども、「全体を眺めれば」人間が生きる意味で、食料も物流も法律も安定と平和へ向かって来たはず。

その代償に、あちこちで無理が来ている気もするし、そもそも数十億の個体が等しく安定して存在すること自体が有り得ないけれど、もし有り得たとしたら。完璧な安定と平和が実現したら?

 

その世界は熱力学的にcold、なものになるしかないよなぁ...なんて妄想をします。

Until the World Goes Cold

Until the World Goes Cold