映画や物語には「ホラー」というジャンルがありまして。ホラーの映画や物語、ゲームに勤しんだりすることは至って普通のことだと思うんですよ。
それと同じように、ブラック、ドゥームのように、恐怖や狂気、人の暗い部分に焦点を当てた音楽という物も確かにありまして。そういった物も実に趣き深い物があります。
ホラー映画見てきゃーきゃー言ってる女の子。普通の可愛い女の子でしょ?別に人の恐怖をすすって生きる妖怪じゃなくたって、ホラーを見たって良いでしょう?
だから、狂気に満ちた音楽を楽しく聴く私も、普通の人なんですよ?ホントだよ?
デンマークの古参ヘヴィメタルバンドであり、その音楽性は様々なバンドに影響を与えたというMercyful fate。彼らが比較的近年である1999年に発表したアルバム内の楽曲、Insane。
なんてことはない、楽曲は普通の曲ですよ。綺麗なメロスピとはまた一味違ったメタルの世界をご紹介。
マーシフルフェイトと言えば、ヴォーカルのキング・ダイアモンド。この特徴のある歌声。ねばっこいというか、何だか聴く者を不安にさせる音質というか。この声質が苦手という方も居るらしいですが...
早鐘を打つようなスピード感あふれるドラムのビート。疾走感というよりも、焦燥感を感じるのは何故だろう?
激しくまくしたてるようなメロディは、キング・ダイアモンドの声質とも相まって、なんとも不安感を掻き立てる。激しい音楽に拳をあげるのとは明らかに違う「ノリ」。
不安、焦り、狂気をモチーフとし、聴くことで不安になるという音楽。
楽曲のタイトルはInsane。意味としては非常識、常軌を逸している、正気とは思えない、というような意味があるそう。
※Hell yeah!的な、逆説的に「ぱねぇ!」という褒めに使うこともあるとかないとか。
この楽曲に至っては、直訳的な単語の意味そのものでありましょう。楽曲全体に広がるホラーというか、なんとも言えない「不安」「狂気」をまとう雰囲気。音を聴くことで気持ち良くなるのが「王道」であるのに対し、何だか気味が悪くなるような音楽。
Insaneというタイトルの楽曲は、国内外を問わずに結構あるようですね。ちらっと歌詞を除いてみると、比較的ライトに「狂っている(→そんなのおかしいよ、嘘だろう?)」くらいの軽い使い方をしていて、なんとも微笑ましい。
こちらマーシフルフェイトのInsane。歌詞を見ていただければお解りかと思いますが、
いわゆるガチ狂気。小さな悪魔、病室、ベット、ドクター...うん、ガチ系だね!
そして個人的には曲の終わり方も好きでして。
激しく暴れるようなメタルを繰り広げた後に、一旦曲はSTOP。その直後で更に荒れ狂うように爆裂して終わる、というスタイル。最後の最後にもうひと暴れして締めくくるパターン。
これ、直接的に同じではないですが、人間椅子でもよく見るやり口でしてね。これで終わられると、心の中で「Yeah!」とスカっとビシッと決まるので、好きなんですよ。
ホラー映画を見たり、ゾンビゲームをやったりって、まぁ普通だと思うんだけど。なんか気味悪い系の音楽を聴くっていうと、引かれやすい気がするのは...なんでだろうね?