本日は完全な正面衝突系です。何の脈略もなく、曲を流していたらこの曲に遭遇し、うわぁ~久しぶりに聴くけど、良いなぁ!という展開。
ギターを刻むザクザクの快感、私はこの曲で覚えましたのよ。
スラッシュメタル四天王と呼ばれるスラッシュ界のキング、ANTHRAXのMadhouse。タイトルからして確かに...なんだけれども。中々怖いMVですね。
ANTHRAXとの出会いは、比較的早かった気がする。ヘヴィメタルというものを強く認識する以前、当然四天王はおろか、スラッシュメタルという概念すら知らない頃、例によって中古CDショップでわけもわからずノリで購入していたあの頃。
そんなスタートだったからか、自分にとってはANTHRAXとスラッシュメタルという概念があんまり結びつかないんですよね。
ANTHRAXはスラッシュじゃねぇ!とかそんなあたおかなことを言いたいのではなくて、ハードロックというか、「カッコいい洋楽」的な気分で摂取していたころの癖が抜けないのか。
実際に、スラッシュメタル四天王といわれるスレイヤーやメガデス、メタリカと比べると、聴きやすくメロディ路線が強いような気がしませんか?
メガデスがギターも歌声もソリッドで無機質な宇宙観が漂うのに対し、ANTHRAXはどこか情緒的というか、感情や情念に働きかけて来るようなスラッシュに感じるんですよね。
はてさてこのMadhouse。イントロの掴みがまずキャッチーですよね。フハハハハ!という笑い声から放たれるメインリフ。転がり堕ちていくような音像はMadhouseというタイトルの雰囲気によくマッチしているし、ミョンミョン言わせるギターも実に狂気感があって良きですよ。
楽曲の全編を通してザクザクのギターが存在感を見せつつ、常に前のめりな楽曲はどこかこちらを急かすような、焦燥感を煽るような雰囲気。どこか不穏な気持ちにさせる音に乗せられて、こちらのテンションも不思議なアッパー感に包まれる。
必殺のギターソロは、今この時代に聴くからこそコンパクトに旨味が詰まった構成に聴こえるけれども。そこかしこに、昨今の様々なバンドから聞こえて来るニュアンスが見え隠れする。当然、ANTHRAXの方が古いのだから、多くのバンドがここから影響を受けて行った、ということ。その片鱗を感じるようで、なんだかぐっと来てしまうのです。
月並みだけれども、全てはここから始まった...的な?
そうして音楽は影響を与え合い、バトンをつないで行く。
今現在は新進気鋭とされる音楽も、いずれは古典となって。
多くの後進達に影響を与え、紡ぎ、受け継がれて行くんでしょうねぇ。そういうの、良いなぁ。あわよくば自分も何かをつないで行きたいなぁ。