2022年も残りわずか。
メタルの力を借りて、最後のラストスパートを乗り切り、勝手に自分のためだけの2022の振り返りも済ませて。そろそろ、しんみりしたって許されるはず。
広辞苑に「MUCC:人の心をこれでもかとゆさぶること」と書き記したい。
MUCCのスピカ。この曲は、色々な人の、色々なことに向き合う、色々な心を揺さぶり、優しく包んでくれる。
まずその音が、とても柔らかくて、綺麗で、優しくて。アルバム「惡(ジャスティス)」の最後を飾るのにふさわしく、エンディングテーマとして作られたこの曲は、正に2022年のエンディングテーマとして相応しい。
バックでは鼓笛隊のように静かなスネアが響き渡り、ピアノを基調とした音色に載せて逹瑯の歌声がゆっくりと、けれど力強く響いていく。
もはやお決まりの展開として。バンドサウンドのエンディングバラードと言えば、静かに始まりつつも壮大に盛り上がって行く。ストリングスの音も軽やかに、そして壮大に広がって行くが、要所要所で要となるのはギターサウンド、というところも嬉しい様式美。
このように、音色のお膳立ては完璧。あとは歌詞の世界をとことん味わって、私達それぞれの2022年に想いを馳せましょう。
夜が明けて もう なにもかも終わりだ と嘆いた
空が 鈍色に 霞んで見えた
君を 探して どこまで行くのか わからないまま
光がかき消した 星を探した
もう...ど真ん中ストライクですよ。自分の2022年は正にこの通りの日々だった。
夜が明ける度に、毎日毎日嘆いていたし、それは今だって変わらない。見て来た悪夢は数えきれず。この先の人生でやりたいことなんて物も思い浮かばず。明日が来るのを嘆き、そのくせ今日が終わるのをただ待つだけの日々。
いいよ 今は涙枯れるまで ずっと 泣いても いいよ
おかえり 君のいたこの場所は ずっと 変わらないよ
うん、泣きたいだけ泣こう。嘆くだけ嘆こう。涙は枯れるし、嘆きもいつかは終わる。良くも悪くも、この場所も、世界も、きっと変わらないんだから。自分がどれだけ足掻いたって、泣いたって喚いたって、なるようにしかならないんだから。
これまでに何度か触れたように。悲しい時は悲しむしかない。とにかく「悲しむしかない」ターンがある。そのターンである内は、悲しんで良いし、悲しむべき時なんだと思う。
そのまま悲しみに暮れたまま人生が終わるかも知れないし、新しい何かが始まるかも知れない。けれど、それは自分が立ち上がる!なんていう能動的なものではなく、誰の意思にも関係なく夜が明けていくように。ただただ訪れるものなんだろうな。
世の中としても、感染症やら何やらと、激動の1年であったことだと思う。それはこの1年だけではなく、毎年、毎分、毎秒が激動なはず。
今はただ、想いを馳せよう。噛み締めよう。
何かを反省する必要もないし、後悔も要らない。
将来を力強く見据える必要もないし、夢や希望なんてなくたって良い。
今という瞬間が過ぎていくことを、感じていればそれで良し!
そこに素敵な音楽があれば尚も良し!
そうやって今を生きていれば、きっとそれで良いんだ。
そう、信じてみなけりゃ始まらぬ