マイツの小部屋

陰キャのための音楽ライフ

遂に訪れた終わりの時(CDショップの話)

遂に、遂に来てしまった。この時が。

私の青春時代...もう20年くらい前の話になるけれど。

は?もう20年前になるの!?やってらんねぇな。

あの頃は、私の生活圏だった地方でも、音楽CDショップが幾つもありました。

中古CDショップだってたくさんあって。車という移動手段を手に入れてからは、新しい音楽との出会いは無限...だったのだけれども。

 

今では皆さん知っての通り。

そりゃあ、広大なネットの世界を歩いた時に出会える音楽の幅は本当に無限に近くなったけどさ。それはやっぱりネットの世界なわけで。

手触りもって、現実感をより強くもって。よりガッツリとした出会いの場として、CDショップは魅力的だったのですよ。

解っています。それもこれも時代の話。あらゆるものが姿形を変えて行くのは世の理。

 

そんな中で、自分的レアスポットがあったのです。

車を小一時間走らせて向かった地方のイオンモールの中。系列は大手CDショップではありながら、小さな小さな実店舗。

その店舗規模と今の時代では考えられないほどに、洋楽やHR&HM(国内外問わず)の品揃えが神がかっていたお店があったのです。

 

今の土地に住むことになってから10年以上。何度も通い、様々な音楽と出会わせていただきました。とにかくその店舗に行けば、最近発売されたHR&HMを知ることが出来る。購入することが出来る。

新譜が出る度に速攻入手するようになったあの若手バンド。

何度もライブハウスに足を運ぶことになったあのベテランバンド。

HRでありながら近代的な雰囲気で世界的な人気者となったあの海外バンド。

様々な音楽と出会ったきっかけは、今思えばあのお店でした。

 

今日も出会いを求めて行ったその店舗から、遂にHR&HMの棚が消えました。

 

こんな田舎に、店舗自体が残っているのが奇跡なのでしょう。以前から、小さな店舗の中の半分以上は、音楽というよりもエンタメ全般と言うか、もはや音楽CDショップではないラインナップでした。

そして今日。残された僅かな音楽の棚も、残念ながらほぼほぼ全て、私とは無縁のジャンルで埋まってしまいました。音楽ジャンルに貴賤なし。単に私の好みの問題なんですけどね。

 

それでも、近い内にこの地方に著名なアーティストがライブにいらっしゃるようで。特集を組んで、棚を作って、盛り上げようとしている姿。

10年以上通っているのだから解ります。絶対に音楽が大好きなんですよ、このお店。スタッフさんなのか店長さんなのか、はたまた本社担当社員なんだか。仕組みは解りませんが、とにかく音楽が好きな方が頑張っているんです、このお店。

そんなお店が、いよいよ追い込まれている。時代の流れなんでしょうなぁ。

 

私はただの一消費者ですから。自分が買おうとするものが無いお店には、当然足を運びません。もうこのお店に訪れることはないでしょう。イオンモールの中だから、立ち寄るくらいはあるかも知れないけれど。

もしかしたら良い音楽が待っているかもしれないぞ?とワクワクしながら車を走らせるあの時間は、もう訪れないということです。

というか、実店舗でCDを購入するのなんて、もうこの十年くらいはこのお店のみでした。ライブのついでに都内へ足を運んだ時は別ですが、生活の中の買い物としては、確実にこのお店だけでした。

 

寂しいなぁ。しょうがないけど、寂しいよなぁ。

音楽CDを購入する、という行為がどうこうというだけではなく、時代が変わり、世界が変化していく音を耳にしたような気分。

きっとその一方で、ちゃんと盛り上がる業界があって。

そこで大いに楽しむひとが居て。

きちんと幸せになるひとが居るんだから。

変化すること事態は、悲観することではないはずなんです。と、言い聞かせる。

 

そして、如何ともし難い心持で帰宅。

今日は懐かしの音楽でも聴きながら、グラスを傾けたい。そんな気分であります。