マイツの小部屋

陰キャのための音楽ライフ

どんぐりは〇んだ!

昨日ね?

今、メタルを裏切ってしまっているかもしれない!

メタルはいいぞ!メタルをもっと摂取しよう!

なんていいながら、立て続けにこんな記事を書くのも本当に恐縮なんだけれども...

 

しょうがないじゃない!激ヤバなんだから!

 

ジグザクの新譜『最高』が、そのタイトルの通りに最高な仕上がりであることは以前にも少し記事を書かせてもらいました。その新譜の中からMVが公開されるぞ!ということで公開されたのが、なんとこちら『どんぐり』という楽曲。

 

ウケ狙いというか、オモシロ枠というか、そういう要素がありつつも。何よりも楽曲としての仕上がりがとんでもなく、アルバムを通して強く印象を刻み込むこの楽曲を、より一層味わえるようにしてくれるこのMV...

訓練された者であれば、涙無しでは鑑賞出来ませんよ(結構マジで)


www.youtube.com

 

えっと、冗談抜きの本気で語りますよ?

 

まず、音がね、最高でしょう?

命様の圧倒的な歌唱力を見せ付ける歌声。

エモーショナルに、且つ力強く響くアコギの音色。

混じりっけ無し、シンプルにドスンと来るメッセージ性。

楽曲として最高なのですよ。

 

この感じ、かつての合唱コンクールを想起しませんか?

近年の合唱コンクールがどんな様子か?は解らないのですが、私の世代の合唱コンクールでは、結構変わり種と言いますか、パンチの効いた課題曲もあったものです。

 

爽やかに力強く羽ばたこう!的な楽曲だけではなく、音は低音で激しく、歌詞も強烈なメッセージ性を持つ物も少なくなかったように記憶しています。

イメージで例えるなら、シューベルト(だったっけ?)の『魔王』的な。威圧感や恐怖感さえも伴うような、古代感のある歌唱。これが2023年の最新音楽アルバムに収録されるのだから、そりゃあインパクトも絶大ですよ。

 

 

そして、映像が合わさることで深みを増す歌詞の世界観。

どんぐり...正義感に溢れる良い奴なんです。走馬灯のようにフラッシュバックする過去が表すように、家族が居て、仕事をしたり、恋もしちゃったりして。

 

そんな確固たる人生を歩んで来た1個体であるどんぐりが、

自らの正義感にのっとった勇気ある行動を起こし、

突然に、平然と、何事も無かったかのように、

圧倒的な理不尽によってその一生を終えてしまうのです。

 

この無情。そして無常。歳を重ねた方であれば、自らと重ねる部分もあるはずです。

 

正義も幸せも、信念も命さえも。圧倒的な何かの前ではあっという間に吹き飛んでしまう。それも一瞬で。静かに。誰の目にも止まらないような世界の片隅で。

全体的に勇気付けるような楽曲が多く、陽の気が溢れた本作『最高』の中に、巧みに陰の気も混ぜ合わせる。ただし、本作の空気感は損なわず、聴き手の負担に成り過ぎない形で差し込んでいく。

幸せいっぱいのキラキラPOPSとは明らかな一線を画す、アーティスト『ジグザグ』の妙技を感じずには居られません。

 

 

しかし、絶望だけではありません。最後に現れる文字が『to be continued...』であるという演出に、微かな救いを感じるのは、私だけではないでしょう...

どんぐり

どんぐり

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