ラプソディのエメラルドソードと来たら、聖飢魔Ⅱのエルドラドを行くしかないっしょ!というワケの解らない核心めいた物を感じる今日この頃。
エルドラドとは、いわば架空の理想郷、黄金郷。
遥か彼方にあるとされる黄金郷を目指して、果てない旅路を行く。
昔々の物語。
けれどそれは、今を生きる我々へ向けたメッセージでもある。
聖飢魔ⅡのEL.DORADO。文句なしの名曲です。
とりあえず始めにこれだけは言っておきたい。
聖飢魔Ⅱとは、間違いなく日本最強の一角を担うガチメタルバンドです。
自分自身がそうだったんだけれども、聖飢魔Ⅱよりもやや下の世代でありまして。聖飢魔Ⅱが最も活躍していたころ、私はまだ幼かった。
派手な怖い恰好をした人達が、何やら音楽をやっている。世の中は色々な形で聖飢魔Ⅱという存在をいじっていた。確かファミコンソフトまで出ていた気がする。近所の友達の兄ちゃんがソフトを持っていたな。懐かしい。
その高いエンターテイメント性が故に、幼くヘヴィメタルという物に触れていない私の目にもその姿は届き、「よく解らない存在」として認識していた。
そして月日が経ち、メタルにどっぷり浸かった後に、ちゃんとした音源でしっかりと聖飢魔Ⅱと向き合うことになった。当然そこで、
閣下しか勝たん
となるわけである。意外と同じ経験を辿る方は多いんじゃないだろうか?
メタルを知る者からすれば、聖飢魔Ⅱのあの出で立ちはむしろ「正装」であるし(てか悪魔だしな)、メタルを知る者からすれば、「あの見た目通りのすげぇガチメタルだ」となるんだけれども。
世間一般からすると、やはり奇抜さが目に付くことと思う。しかし最早ベタベタの法則発動で、楽曲や音に関しては真っすぐでクソ真面目な王道スタイルとも言えるほど。
そしてデーモン小暮という反則的な存在。
圧倒的な歌唱力とは正にこのこと。「歌う」ことの技術的な上手さも、声質の魅力も安定感抜群のレベルの高さ。
こうした聖飢魔Ⅱの魅力を余すことなく、クセもなく万人が味わえるであろう曲がこのEL.DORADOなんです。
伸びやかな歌声、力強いメタルのフレーズ、旨味たっぷりのギターソロ、最後の締めの長音シャウト。正に王道を行く魅力がたっぷり。
この歌で表現されている内容としては、夢にまで見た黄金郷エルドラドへたどり着かんとする旅の物語、といったところ。
その中でこの言葉が何度も何度も登場して、自然と印象に残る。
早く行け!
黄金郷へ行くぞ!という物語であれば、
見つけ出せ!
たどり着け!
手に入れろ!
のような言葉が真っ先に思い浮かぶんだけれども、この曲はあくまでも
早く行け!
ここに大事なメッセージがこめられているんじゃないだろうか。
これは架空の黄金郷「エルドラド」にまつわる夢物語ではなく、今を生きる我々へ向けれた歌なのではないだろうか。
幻のようで。すぐに消えてしまう。誰もがいつまでも追いかける。
それは夢だったり、理想であったり。もっと平たく言えば「自分が望む物事」。
それは、あなただけではない。
はるか昔から、人々がみなそうであったように。
それぞれの夢や希望、やりたいと願う、ありたいと願う理想を追いかけている。
そしてそれらはとても儚い。すぐに目の前から消えてしまう。
早く行け!
見失わないうちに。
消えてしまわないうちに。
早く行け!
そして夢にまで見たものを、どうか手に入れてみせてくれ!
そういうことなんだろうなぁ...
少し前に紹介した曲のフレーズをお借りするならば、
What are you waiting for?