不思議なもので、自分より年上の人達は、いつまで経っても「大人・ベテラン」に見えるし、自分よりも年下の人達は、いつまでも「若者・フレッシュ」に見えませんか?
衰えを感じて仕方がない自分自身よりも明らかに年上、明らかに大人。なのに衰えること等知らずに、どこまでロックであり続ける感じ。
は?あの人何歳なの?なんであんなにギラギラしててカッコいいんだ。
氷室京介のRock'n roll suicide。氷室京介という存在も、キャリアも、何も考えずに楽曲としてただただカッコ良い。反則です。
自分にとってBOOWYは少し上の世代。物心ついた時には、現役バリバリというよりも既にレジェンド枠。
なので、BOOWYであるとか、氷室京介だとか、布袋寅泰であるとか、その辺りの人達の本当の凄さを肌で感じていない。へぇ、凄い人達なんだね、といった浅い認識でしかない。
そうした意味では、詳しい方、ファンの方、ごめんなさい。私は氷室京介という存在も、この楽曲の良さも、本来の十分の一も理解出来ていないのだと思う。
この曲(アルバム"B"ORDERLESS)を手にしたことに、特別な意図はなかった気がする。
何か良い音楽はないかなーと探している時に、CDショップで目に留まったんだろうか。氷室京介?あぁ、有名な人だよね。今も活動してるんだー、聴いたことないけどカッコ良いのかなー、なんて。油断しながら手に取ったかと思う。
そして、まんまと一発KOされたわけです。
こういう地力の半端ないアーティストって、音楽の体幹が半端ないというか、隙がないですよね。
このバンド良いよー、みたいなお勧めを見てCDを買うとして、大体は必殺の曲が抜群に良くて、数曲が印象に残ってその他はぼちぼち、みたいなことが多いんだけれど。
こういう人達は体幹がやばいもんで、全ての曲が余すことなく美味しい。
当然っちゃ当然なんだけれども。そりゃあもう曲も良いし、歌は超上手いわけだし。全編通して唸りっぱなし。
その中でもロック感を強く感じたのがこのRock'n roll suicide。
なんていうかなぁ。Rockではなくロック。日本人がRockという概念を再生すると生まれるカッコ良さというか。この感じを出せるアーティストはそうそう居ないぞ、と。
歌声。めちゃくちゃカッコいいよね。漢の色気も魅力もビンビンに感じる。
もちろん歌唱技術は凄いんだけど、お行儀よく歌うことなんかない。正にロックだ。
そして若者ではない、円熟した者だからこそ放てる圧倒的な説得力。
それでいて荒々しさ?やんちゃ感?暴れん坊感?小さくまとまる気なんて何一つ無い。
圧倒的なヴォーカルが鎮座しながらも、縦横無尽に暴れ回るギターサウンドが尚良き。
巧みな楽曲って、曲展開だったりヴォーカルだったり、立たせるところをキッチリ立たせてくるもんで、楽曲が混然一体となり過ぎてギターサウンドの良さとかベースラインのえげつなさとかに、気が付くのが遅れちゃうんですよねぇ。
ぶっちゃけ、顔写真を見ても「氷室京介」と判別出来ないくらいのにわかなんですが...楽曲が如実に物語る、その存在のすさまじさ。
こんなん、惚れてまうやろ?