最近、「あれ?なんかあんまり寒くないな?」という瞬間、増えてきましたね。
朝、家を出た時。
夜、仕事が終わって車に乗り込む時。
代わりに一抹の、春の空気の匂いが混ざり出した今日この頃。
冬が終わって行くんだなぁ。なんて、ちょっと物思いにふけっていたけれど。
ちょっとまて、冬には冬の冬メタル、ちゃんと摂取したっけか?
慌てて駆け足で、冬の内に楽しんでおくべき音楽をひっぱり出しましょう。
冬を感じるメタルと言えばやっぱりこのお方、北欧のメタルマスター、Sonata arcticaのDraw me。
月曜日からクライマックス感たっぷりの選曲だけれども、ちっちゃいこと気にすんな!それワカチ(ry
Sonata arcticaは北欧フィンランドで生まれたメタルバンド。北欧産のメタルはホントに良い物ですよ。
彼らの音楽は北欧をモチーフにした雰囲気を常に感じさせるもので、アートワークには氷、雪山、氷原のようなものが多く、透き通ったキーボードの音色を巧みに操る音像からも、どこかひんやりとしたイメージが伝わって来る。
こちらの曲はお聴きの通り、しっとりと、そして壮大なエンディングテーマのような立ち位置になっている。真っ白な雪と針葉樹に覆われた世界、空はどこまで突き抜けるように高く、広大な世界の中で想いを馳せる。
静かに、雪を踏みしめる足音のように響くドラムをバックに、クリーントーンのサウンドと歌声で語られる物語。その物語が行きつく先の、なんとも味わい深い締めのフレーズ。
Morning's here. I must have...failed
叫ぶように、振り絞る様に、渾身のfailed!というシャウトを皮切りに、ここまで奏でられてきたリフ的な音色が、待ってましたのギターサウンドで襲い掛かる。
この涼しくも熱い展開は、一度聴くと癖になること間違いなし。この曲のイントロを耳にしたが最後、ラストに待ち受ける「failed!」の激エモ展開を待ちわびるように躾けられてしまうんですよ。
この曲がアルバムのラストで待ち受けているという事実。壮大な物語がそこにはあって、様々な出来事を経て、たどり着いた先。最後の最後に、夜は明けて朝は来た...けれど。I must have failed、という結末。
そうだよねぇ。ゴールテープを切った瞬間、「おめでとうございまーす!あなたは大成功しましたー!」なんてハッピーなエンディングなんて、果たしてどれだけあるんだろうか。晴れやかな気分で朝日を見上げることが出来る完走者なんてのも、どれだけ居るだろうか。
成し遂げられなかった事実が胸に刺さり、救えなかった笑顔が頭をかすめ、手に入らなかった物に焦がれながら、一つの舞台から降りていく。
例え結末が「faile」だったとしても。そこにたどり着くまでの物語の価値がなくなるわけではないよね。時に悲劇の物語こそ人々の心を強く打つことがあるように。
私の物語も、あなたの物語も、唯一無二の最高傑作のストーリである!ということもまた、間違いのない事実なのだと思うんですよ。だって、結末はどうあれ、その道中は山あり谷あり、色々あったでしょう?この曲のようにさ。