マイツの小部屋

陰キャのための音楽ライフ

The wishing well_Royal hunt ネオクラシカルっていうフレーズの時点でカッコ良さ満点サロメ

人間ってのは不思議なもので。

常に進化しながら存続して来たし。

変化することこそが生存戦略

改善こそ正義。

昨日とは違う今日、今日とは違う明日を目指せ!

なんて耳タコですけどね。同時に古い物が大好きで、変わらない物に安心する。

 

それでも、いつまでも変わらないラーメン屋のあの味!と言いながらも、何も変わらないわけがなく。変わる世界の中で、その味を保ち、伝え続け、お店も継続していくには?そのお店は数えきれない変化と微調整を、陰ながらしているのではないだろうか。

 

古き良き、を保つためには途方もない努力と数えきれない変化が必要という矛盾。

 

ネオクラシカルメタルという旗を掲げて、どこまでも「ありし日の美しいメタル」を放ち続けるRoyal huntを聴きたくなったんですよ。本日はThe wishing well。

もうね、どの曲を選んだって、間違いなくカッコイイし美味しいの。この味を出し続けることがどれほどに偉大なことか、想像もつかないっすよ。

youtu.be

かき鳴らすギターリフから幕を開け、歌声は伸びやかで情感がたっぷりと込められて、要所ではストリングスの音が壮大さを演出。サビはコーラスを伴って、キャッチーでメロディアス。

幕間には歪んだギターがしっかり刻んで来るし、たっぷり聴かせてくれるギターソロの素晴らしさは言わずもがな。

楽曲の構成も緩急や場面転換を多用して、実にドラマティック。この楽曲はそこにある「音」だけではなく、その向こうにあるストーリーを感じさせてくれる。

 

正に様式美。ネオクラシカルメタルという言葉が本当にしっくりきます。

 

この音像とネオクラシカルメタルという言葉、自分と同年代のメタラーならば、異論などなく実にしっくりと喉を通って来ると思うんです。でも、ですよ?よくよく考えるとこの様式美ってなんぞや?という気分にもなってくるわけです。

 

今となってはメタルという概念は「既存」ではあるけれど、当然時代と音楽の流れの中で生まれて、変化して、様々に分岐して、今に至るわけで。パワーメタルだスラッシュだ、ドゥームだプログレだニューメタルだ、デスにブラックに...と本当に数えきれないほど。

我々が「ネオクラシカル」と聴いてぴんと来る音を出していたバンドは確かに居るけれども、その概念は言うほどに解りやすい物でも、確固たる物として定義されても居ないのではないか?なんて思うんです。

 

ネオクラシカルメタルを掲げる、なんて言えば、「古き良きありし日のメタル」をいつまでも続ける?というようなニュアンスを連想してしまうんだけれども。

実際は、これまで積み上げられてきた音楽の歴史の中で、数えきれない音の中で、「これこそがメタルだ」という要素や概念を自分達の中で構築して、定義して、掲げ続けていくということなのか...と。

あたりめぇだろ今更言うな!と怒られそうだけれども。偉大ですなぁ。

The Wishing Well

The Wishing Well