本日はタイトルの通り至ってシンプルです。
四月に聴くべき楽曲と言えば、まずは思い付くのはこの曲だよね?
ニッポンのやべぇロックバンドと言えばこの方々。エレファントカシマシの優しさ漂う名曲「四月の風」。日本人にとっての「四月」という存在を実に端的に表したこの曲。四月という存在が「辛い物」である我々陰キャでも、こいつを聴けばちょっとだけ「四月」というものに希望を見出せる気がしてきます。
エレファントカシマシ、と言えばこういう音楽だよな!という強いインパクトがあるようで、よくよく考えるとその楽曲は実に多彩だったりします。
日本独特の世界感とロックが融合した楽曲。
あたおかレベルでぶっ飛んだ個性的な楽曲。
王道ロックとして熱い楽曲。
こちらの魂をゆさぶり、目から汗が流れだすような楽曲。
そんな楽曲群の中でこの四月の風は、とても爽やかにこちらの背中を押してくれる応援ソング、という感じにとらえています。エレカシのこういう楽曲が好き、という方も多いことでしょう。
もちろんロックとしての旨味、ギターサウンドの妙味はあちらこちらに込められているのだけれど、全編通してとても爽やかで優しい音になっています。
てかね?0:20~の音よ。もうこの音が流れた時点で春の爽やかな青空が浮かぶわけ。
「四月」をギターで表現してください、という設問が有ったとしたら、それへの120点の回答がこの音ですよ。
日差しは暖かく、吹き抜ける風が涼し気に心地よいくらい。空は青くて雲がのんびりと流れて行く。新しい学校、仕事、環境に身を置くような、今までとは違う何かに足を向けて、小さじ一杯の不安と、大さじ一杯のワクワク感を胸に秘めながら歩いて行く。
そんな物語を自動的に再生してくれるような音像。ミヤジの歌声は「歌唱の技巧」的な物を敢えて乗せず、どこまでまっすぐに力強く唄うスタイル。バックのサウンドはアコギやハンドクラップの普遍的な爽快さが印象的ではあるものの、要所要所では実にブルージィな色気のあるギターが響いて来る。ホント、石君の犯行はいつの日も巧妙です。
エレファントカシマシというバンドの歴史の中でも、この楽曲が作られたタイミングというのは非常に大きな意味がある時期でありまして。そうしたものも込められているんでしょうねぇ。歌詞の方も本当にストレート。
はっきりと明確なビックイベントを迎えるのとは少し違う。新しく何かが始まって行きそうな「予感」。何かが幕を開けて行くような。なんだかソワソワするような。その角を曲がれば、新しい誰かが、何かが待っているような。
そんな「日本人が抱く四月という存在への面持ち」を絶妙に表現した上で、エレカシは明確でシンプルなメッセージをこちらへ投げかけてくるのです。
明日も頑張ろう 愛するひとに捧げよう
もうね、「はい、解りました」以外の返答は出来ないよね。「愛するひと」というと実にエンタメだけれども、要は「大事なものごと」というのは誰にでもあるわけで。特定のひとかも知れないし、芸術や活動だったり、文化とか土地とか、まぁ色々。
誰にだって、「好ましく思うもの」のひとつやふたつ、ありますよね。そんなものに捧げるように明日を頑張れたら。それは幸せな人生であると言って、差し支えないでしょう。それを目指して行きたいですねぇ。