マイツの小部屋

陰キャのための音楽ライフ

とてもとても長い一日②

時刻は13時を回った頃。長い長い1日も中盤に差し掛かります。

地元の旧友とお酒を飲むために、生まれ育った地元へと車で向かう私。私の住まい~地元までは車で一時間ほど走ったところ。

ちなみに現在の住まいはクソ田舎なので、電車で移動なんてもっての他。遅くまでお酒を飲んで車無しで帰って来る、ということが出来ないのです。

 

そのため、以前は地元に未だに残っている両親の住む実家に一泊して、地元の仲間とお酒を飲む、ようなことをしておりました。

ただ、今となっては私と両親との関係性も色々と問題があり、更には高齢の両親の健康状態等諸々にも問題があり。10年くらい前からですかね。気軽に一泊なんて、出来なくなってしまいました。

 

それではどうするか?地元の最寄り駅のビジホに一泊するのです。

 

自分が生まれ育った地元に、まだ実家も存在しているのに。ただ仲間と酒を飲むためだけにわざわざ宿を取ることになるだなんて。想像もしませんでした。

 

何よりも、そうまでしてお酒を飲みたいとは思わない、という想いがありましたね。私くらいの世代では、まだまだ「飲み会的な場は特別だ」という意識が強い方が少なくありません。

飲みに行くことがめちゃくちゃ楽しい。

飲みに行かないと腹を割って話せない。

は?飯食うだけ?飲まなきゃ始まらんだろ?的な。

 

私はそういう意識は全くなかったのですが...この数年間の激動を経て、少し思う所もありました。

数年前は、当時の生活がずっと続くと思っていました。

けれど、あれよあれよと家族の闘病が始まり友人と会う事もままならず。

感染症が広がって、その状況は尚も加速。

良い事も悪い事も起こり、今はまた「仲間とお酒を飲める」環境にはなったけれど、これがまたいつまで続くか解らない。これは本当に解らない。

 

じゃあ、まぁたまには付き合うのも悪くない。今の内に、4~5年ぶりのお酒の場を持っておくのも悪くは無いか。そんなことを思ったのでした。

 

 

そうこうしている内に、久しぶりの地元に帰り、幾度となく足を運んだ駅へと到着。駅前に新しく出来上がったビジネスホテルにチェックインを済ませます。

 

するとまぁ、なんということでしょう。そこにあった街並みは全くの別物。

 

あまりにもベタ過ぎる、擦られまくった展開ですが、本当に影も形もないとはこのこと。

全く派手さの無い再開発で、見た目の綺麗さだけはちょっと新しい。

数少ない商店、お店、町と呼べる機能は完全に郊外に移行。

残された古き街並みは、シャッターが閉まりまくりでとにかく暗い。

道行く人々からは東南アジア系の言語が聴こえ、そういった方向けの商店がチラホラ。

日が暮れ始めた頃合いになっても駅前の中心地の人影はぽつりぽつり。

地方の町(街ではなく町)にありがちな風景がそこにはありました。

 

気が付けば自分も40過ぎ。

生まれ育った町は姿も形も変えてしまい。

かつては「住んでいた」自分が他人様の如く宿を取って孤独に滞在。

消え入りそうなひとかけらの町の活気を見下ろす夕暮れ時。

 

哀しいような、寂しいような。何とも言えない気分を抱えたまま、旧友との待ち合わせの時間を迎えるのでした...

 

 

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