マイツの小部屋

陰キャのための音楽ライフ

Zick Zack_Rammstein リフでジグザグと切り裂かれていく物は果たして?

何気なくその日に聴いた音楽について語るシリーズ。

 

今日はラムシュタインのZick Zack。

相も変わらずただ事ではないMVからひしひしと感じる、風刺というか皮肉というか、もはやラムシュタイン節としか言い表せないようなナニモノかを浴びせられる一曲。

 

音については正にラムシュタインといったところ。シンプルに刻まれるリフと電子音から紡ぎだされる、力強くてどこか不気味で不可思議な世界が描かれる。ザクザクと刻まれるリフ。あぁ、Zick Zack → ジグザク、なるほどね。

MVと併せてリリースされると、初見時にMVの映像が飛び込んで来るのでどうしても映像のイメージが焼き付いちゃうんだけどね...


www.youtube.com

 

必死に日本語訳してみると、ざっくり言えば「整形を繰り返してでも美しさを手に入れたい、保ちたい様」を表している、のかな。

 

ラムシュタインの特徴として、「テーマを取り上げているもののそれを肯定も否定もしない」という姿勢があるように感じる。猟奇的な事件だったり、好ましくない情勢だったりを表現はしていても、それがダメだ!という明確なメッセージを打ち出すようなことはしない、というかね。ただただ「そこにある現実」としてテーマを表現しているように思う。

 

まるで踏み絵とかロールシャッハテスト。あるテーマを誰かの目の前にどん!っと置いた時、そこから何を見出すのかはその人次第っていう感じ。

 

私がこの曲を聴いて、MVを見て想起したことを勝手に言い表すとしたら、「仕方のない物を受け入れられずにもがく世界」。

 

最近多くないですか?「え、それ問題なの?」的な謎の問題意識。

ゲームのキャラクターは女性的に描くな!女性を性的に消費するんじゃない!

日本の着物を欧米人が着るな!文化盗用乙!

はぁ...そうっすか。大変っすね。

 

いやいや、歳を取るのはしょうがないじゃん。無理に整形するのは辞めようや。つぎはぎしたって隠せないよ。むしろ逆にいびつになっちゃうよ。なんて言うのは簡単でも、誰もが「抗えるなら抗いたい」んじゃないだろうか。

整形というとハードルが高いけど、出来るなら健康だって保ちたいし、若作りだってしたい。というか無意識にそうしている気がする。今時白髪染めをしない人ってほとんど居ないよね。何なら白髪染めもしないの?だらしない、なんて言われてしまいそう。

 

どうしたって抗えない、でも抗いたいし、抗うしかない、というシチュエーションが何だか世界で勝手に決められていくような恐怖

ダイバーシティSDGs。誰一人取り残さない、多様性を認めよう。いやそんなん無理でしょ。でも無理なんて言えるわけがない。そんなこと言ったら世界の正義に成敗される。リアルな話、株価が下がる。賃金が下がる。お金がないと生きていけない。

 

企業活動をする上で競争はせざるを得ないし、敗者は絶対に生まれてしまう。価値観の多様性を受け入れようと言ったって、「多様性を受け入れろよ?」という価値観を強要していることになる。

色んなことがあるし完璧はありえないから、「少しでもより良く」を目指していくしかないことは完全同意なんだけどもね。「みんなで仲良く行こうぜ」という言うには、もうあまりにも多様化し過ぎてしまっているんじゃないか。

 

そんな世界が、今そこに有る。苦しみながら悩みながら、醜くても進んでいくしかない世界が表現されている。それが良いとか悪いとかではなく、今そこに有るよ、というメッセージ。

 

 

あなたはこの曲を聴いて、何を思い浮かべただろうか?

 

Zick Zack

Zick Zack

  • provided courtesy of iTunes