一つの道を歩むこと10年。
10年っていうのは、とても長い。
人生の中で「一時代」と言っても過言ではありません。
幸せだった10年、辛かった10年。頑張った10年。あなたにもあなただけの10年が有りましたよね?
その10年を歩き終わり、ふと振り返った時。
この先もその道を歩き続けられるだろうか?生まれ変わったとしてもこの道を歩きたいと思えるでしょうか。
一つの時代を生き抜き、振り返る時には是非この曲を。
NoGoDのwalk。身に染みる名曲です。
ヴィジュアル系とヘヴィメタルの奇跡のマリアージュ、NoGoDが結成10年に発表したベストアルバムvoyage。二枚組のDisc1のラストを飾るのがこの曲。
伸びやかな団長の歌声。アルバムのラストにぴったりな爽やかな音像。途中で途中では、ライブで合唱間違いなしのコーラス部分も差し込まれる。その曲調から、自然と「区切り」「一旦訪れるエンディング」を想起させる。
10周年にふさわしく、10年を振り返り、ファンと共に歩み、これからもこの道を行こう、という決意を唄ったこの曲。
10周年記念の曲として王道と言えば王道だけれども、これがまた実に深く心に染み込んでくる。
気付けば長い時間と距離を歩いてきたみたいだ。
不安定なこの場所で、上手くバランスを取りながら前だけを見てきた。
大丈夫だよって言って、震える足を見せないようにごまかし続けてきた。
もし終わりが来て、たとえ生まれ変わったとしても、この険しい道を歩けるかな?
バンドとして、表現者として生きていくのは楽なことではない、ということは素人にも容易に想像が付く。バンド活動の中で、様々な場面が、出来事が、困難があったんだろうな。と想いを馳せる。
その内に、唐突に自分事になってフラッシュバックする。
自分自身は、どうだろう?
アーティストのような劇的な人生ではないけれど。
幸せは確かにあった。けれど苦労も確かにあった。
決して順風満帆、楽しくてしょうがない人生なんかじゃなかった。
それこそ、大丈夫だよって何度も言った。自分の弱さもごまかしてきた。
誰かに対しても、自分自身に対しても。
自分が生きるこの道は、幸せなんだろうか?正解なんだろうか?
今も、この先も答えが出る気配はない。けれど、団長は力強くこう唄う。
もう一度、この道を強く歩こう、と。
NoGoDの楽曲は、いつも先導者として導いてくれる。
いつでも先陣を切って、自分達が前へ進みながら、向かい風も何もかもをその身に受けながら。
辛い顔は決して見せず、満面の笑顔で。こちらの手を引くように「心配ないよ、一緒に行こうぜ」と言ってくれる。
背中を押す、というのとは違う、他のバンドにはない、彼ら「ならでは」の優しさ。
団長が、この道を行くぞ!って言うんだから。
自分も、自分が歩いているこの道を、もう少し信じて進んでみるか。
NoGoDを応援しているようで、いつしか自分が応援されていることに気が付く。
NoGoD bless you NoGoD bless me
なるほど、そういうことなのね。