日々を生きること。
簡単なようで、辛いことも苦しいこともたくさんありますよね。
命に関わる危機的状況にある...わけでもない。
一分一秒が血反吐を吐くほどに辛い...ほどではない。
圧倒的な悪意にさらされている...ということもない。
絵に描いたような苦境、苦難、困難とは言えないけれど、辛く苦しく戦う日々。
現代ならではの、日々を生きる上での苦しみ。
そんな「ナニモノカ」と戦う時。エレファントカシマシの歌は、隣にそっと寄り添ってくれる。
とてつもない苦難というよりも、日々に少し疲れてしまった時に聴いて欲しい。
名曲のデパート、エレファントカシマシの大地のシンフォニー。
エレファントカシマシの魅力と言えば、その一つは鬼気迫るロック、白熱のライブパフォーマンス。
もう一つは、どこまでも漢くさく五臓六腑に染みわたる、生き様を語るような歌詞。
ライブでは張り倒されるかのような怒号と爆音を浴びせられる。
どこまでもロックを突き詰めたようなライブの音圧は、そんじょそこらのHR/HMなんぞ吹き飛ばすくらいに凄まじい魅力を持つ。
けれども、今回はその歌詞や世界観で癒される回と相成ります。
エレカシの歌詞と言えば、誰もが刺さる、響く、自分事として受け取ってしまうメッセージ性が特徴。
サラリーマンやってたんですか?と疑ってしまうように、社会で働く大人達の心情に合致するフレーズが数えきれないほど登場する。
それだけ「普遍的なもの」を歌っているのだろうな。
この「大地のシンフォニー」にも、日々の中の一場面がフラッシュバックするような歌詞が散りばめられている。
つつがなくやってるぜ、相変わらずだけど。
今までの人生で何度、最近どう?と聞かれて、こんなニュアンスの答えをしただろう。
大丈夫だよ、ちゃんとやってるよ。まぁ、相変わらず色々あるけどね。
ちゃんとやってるけれど...大丈夫だけれど...苦労も辛いこともあるんだよなぁ。
「でも、今ここでは言わないけどね」という一言が、幾つ隠れていただろう。
本当の自分の場所って、一体どこにあるんだろう?
大きな不満はなくとも。そこに居るのが嫌だとは言わずとも。本当にこれで良いんだろうか?自分の居場所はここなんだろうか?他の場所があるんじゃないだろうか?
そう思わないで居られる強い人は、どれだけ居るんだろう。
演じて来たんだろう。似合わない役割を。
きっとみんなそうなんじゃないか。やりたいようにやって、生きたいように生きて。何の無理もしていない人なんて、本当に居るんだろうか。
何かのために、誰かのために、自分のために。似合わない役割を、時にはやりたくもない役割を。演じなければならない場面が、幾つもあるよねぇ。
巻き起こる「それな」の嵐。
残念ながら、辛い日々も一発解消!とっておきの裏技なんてない。心を一瞬で癒すことも出来ないし、解決方法なんてないのかもしれない。
それでも、みんな同じ想いだよな。みんなも一緒だよな?
大変だけど、誰かを幸せにするために、生き抜いていこうか。
そっと足並みを揃え、さりげなく背中を押し、しんどくなった時は寄り添ってくれる。そんなエレカシの曲は、通勤のお供にぴったり。
油断すると何でもない瞬間に涙腺が崩壊するという、危険な副作用もあるけれど。
うっすらとした記憶の中の話。
エレファントカシマシって、昔ポッカコーヒーのCMをしていなかったっけ?
漢と缶コーヒーは、ちょっと甘い方がいい。
このキャッチコピー、好きだったなぁ。