輝かしい過去がなくっても、甘酸っぱい青春時代がなくっても。ついついなんとなく、ふと脳の反射的に、昔を思い出すこと。ありません?夢に見たりしてさ。
それが良い内容でも、悪い内容でも。何でもない普通の内容だとしても。
何だか胸の奥がきゅっとなるような、懐かしむような郷愁を誘うような、そんな経験があるでしょう。
この曲を聴くと思い出す。
青春時代より、思春期に至るよりもちょっと前。無邪気で幼くて。
何だか毎日が楽しかった、ような気がする日々。
VAMPSのMemories。心地よい日差しとそよ風の中で聴いてみよう。
ヴィジュアル系バンドブーム全盛の時代。色々な音楽を聴きながらも、なんとなく今でいう「推し」があったような気がする。GLAY派、LUNASEA派、みたいな。
そんな自分は言わばラルク派でした。楽曲に遭遇したのは「虹」の辺り。そこから遡ったり、追ったりしながら、CDは全部持っていたんじゃないかなぁ。
ラルクに馴染みがあったもんだから、そのままhydeのソロ活動も追って、VAMPSの曲も聴いて...という感じでここまで来た。
音楽的な「縁」って、あるよなぁ。今まで聴いてきた音楽は、必ずしも自分の中で世界一良い音楽、というわけではなくて。
色んなきっかけがあって、「出会えた音楽を聴いてきた」という感じ。音楽も人も、似たような縁がある気がするね。
自分の中でVAMPSの魅力は、キレのあるギターのカッコ良い系サウンドと、ふと見せる穏やかさ、優しさみたいなところの塩梅が好き。
このMemoriesは爽やかで耳さわりの良い曲に載せられた絶妙な歌詞が、心をこれでもかとくすぐってくる。
歌詞の中には大人のちょっと前くらいの年頃を感じる部分もあるけれど、曲調や雰囲気から、自分としては...そうだなぁ、小学生高学年くらい?そんな時代を思い出す。
青春時代を、大人でもなく子供でもない、とか表現するけれど。そのギリギリ前。
大人階段に足をかける前に、あっちに大人の階段があるなぁ、なんて呑気に眺めているんだけれど、子供という立ち位置からは少し足を踏み出した頃。
まだ、息を吸うように友達を作っていた頃。
何も考えずに走り回って遊んでいた頃。
恋だなんだということは解らず、異性がちょっと気になりだしていた頃。
戻りたいと思うかどうかは別として、そんな頃もあったよなぁ...
偶然を装い、会いに行ったりした
あったよなぁ。待ち伏せなんてする度胸はないわけですよ。
なんとなーくタイミングを併せて、なんとなーく、歩くペースを変えたりして。帰り道が一緒になったらラッキーだな、程度の狙い。
そんなフワフワとした淡い淡い気持ちにひたりつつも、我々大人っていうのは嫌な物で。そんなことばっかり言っていられない現実も、すぐそばにある。
あれから遠く離れてしまったよ
どこまでもずっと一緒だと信じてた
次の人生へ生まれ変わっても
結局は、辛口な現実生きていくしかないんスよねぇ。
それでもまぁ、たまには淡い昔を想い出して、ほんわかしましょうよ。