マイツの小部屋

陰キャのための音楽ライフ

チラシの裏_007 歳を取るってのは、嫌ぁねぇ

今の仕事に就いたのが20代。社内外を問わず、色々な人にお世話になり、共に仕事をすることになった。

当然、仕事相手の年齢層も様々で。凄いなぁ、と尊敬したり、本当にお世話になったりするような相手は、やっぱり油の乗った熟練層だった。

 

そこから自分自身も歳を取り、年月を経て。当時の熟年層は、それ相応の年齢になっていく。

その道のスペシャリストだったり、経営者だったりする皆さんは、60歳で定年なんてことはほとんどなく、いつまでも元気に現役バリバリで仕事を続ける人達だった。

 

しかし、その方々も当然人間なわけで...

つまりは増えて来たんですよ。大病に伏してしまったとか、それを経て見るからに衰弱してしまったりとか、遂に事業継続を断念します、とか。そういった話。

 

 

今、70代を迎えている人達ってのは、本当にパワフルだ。

一時代を築き上げて来たっていう実績が、気概が、その背中から溢れている。もちろん、この世代の中で、優秀で、その年齢になるまで楽しんでバリバリと仕事をして来た人達、のことだけれども。

 

当時は良かったんだろう、なんて安易な発想をするつもりはない。労働環境だったり、様々な問題があっただろう。今の方がより整備されて、より良い面がたくさんあることは間違いない。

ただ、自分の肌感覚で大変恐縮なんだけれど、今60を迎えようとしている世代に対して、正直良いイメージがない。

現在70近い世代が必死に作り上げた世の中の流れ、経済の上昇気流、敷かれたレールの上に、60近い世代の多くはのほほんと甘んじているように見えてしまう。

 

あくまでも自分の周りは、ね。

 

この世代もこの世代で、まぁ大変だとは思う。イケイケムードの中でなんとなく仕事をしていたら、突然潮目が変わって難しい物事があふれ出し、それまではのんびりしていたもんだから、問題に対処する能力も身についておらず。

気が付けば上の世代は居なくなり、問題ばかりが積み上がり、下の世代からは容赦なく突き上げられる。

それでも、それなりのポジションと安定した収入を得て、「自分達も必死だった」と訳知り顔で語る姿には少々辟易するけれど。

 

あくまでも自分の周りは、ね。

 

 

違う違う。話を戻して。

今70代くらいの世代の人達。その中で現役で残っている人達の中には、一つの共通点が見える。

いつも問題に囲まれてバリバリ解決しながら、なんか楽しそうなの。しょうがねぇなぁ、なんてぼやきながら、やるべきことはきっちりやって見せる。下の世代が困っていれば、息を吸うように助け舟を出してくれる。

 

そんな世代の人達に、尊敬と親しみの念を感じ得ない。

 

頼りになる親分、兄貴、そんな存在。本当に多くのことを学ばせてもらったし、多くのことを共に実践させてもらった。

中途半端な世代よりもよっぽど偉いのに。変な気遣いや政治的な配慮も一切無し。その業界の先輩と後輩みたいな、シンプルな関係性で物事に立ち向かうことが出来た。

 

そんな方々が、いよいよの時期を迎えている。残念とか、悲しいとか、いつか自分自身が迎える結末の姿に見えるとか、本当に色んな想いが駆け巡る。

現代の平均寿命でいうところのちょうど真ん中あたりに位置する自分の年齢。前向きなことに囲まれて駆け上がる時代を終え、色々な負の面にも直面しなければいけない。真ん中の立ち位置から、オールレンジに対応しなければいけない。

 

一昔前は、若い内は知人の結婚式に呼ばれまくり、いずれ葬式に呼ばれまくる日々に変わる、みたいなことが言われていたけれど。本当にそんな感じ。

 

 

今の自分には、下の世代には良い背中を見せていたい、という嫌らしい意地みたいなものがある。偉大な先人への憧れが、そうさせる。

偉そうにせず、面倒ごとや若き世代の助けを求める声に背を向けず。君たちよりもちょっと経験が多いだけだから、という軽いノリで。下の世代にもリスペクトを持ち、逆に多くのことを学ばせてもらいながら。

嫌になっちゃうよなぁ?なんてぼやきながら、弱音もちゃんと吐きながら、そうこう言っている内に淡々とものごとを解決して見せていく。

 

かつて見ていたカッコいい背中を、少し背伸びしながら自身も演じていく。

 

これさえ出来れば、きっと上手く行くと妄信しているところがある。

この歳になったところで、未だに自分自身には何の自信も持てないけれど。かつて追っていたあの背中は、絶対にすげぇ人達だぜ?っていう自信は揺るがないから。

 

 

いずれ、現在の職場は離れるけれど。前の職場でもそうだったように。多くのことを学んで、人生の次に活かしていくということは、きっと変わらないもんな。