今はインターネット、グローバル、日常的に世界中とつながっていることが普通になっていますよねぇ。若者達は、我々昭和世代の暮らしなんて想像が付かないのではないだろうか。
隣人は当然こてこての日本人。アメリカなんて遠い世界。英語に触れる機会もないし、海外の音楽なんて、なんだか別世界の産物。洋楽聴いているやつ=なんかすげぇ。
洋楽を聴いてはみるんだけれども、良さなんて全然わからない。何か言葉が歌われているけれど、意味なんて全然解らない。
でも...まぁ...それはそれでいいんじゃないかな!
近年に続くハードでラウドな音楽の創設点に居た存在の一人、AnthraxのGot the time。小難しいことはいいんですよ、イカした音楽聴いてテンション上げようぜ!
もうね、何と言っても音がご機嫌ですよ。オープニングのゴリゴリベースの時点でテンションMAX。とにかく前のめり、前傾姿勢、どこまでも突っ込んでいくように、転がり落ちていくように、弦を無骨にかき鳴らしていくスタイル。
このかき鳴らすっていう音、仕草、行為のカッコ良さ。
伝わるかなぁ、というかみんなにもあるんだろうかこの感覚。巧みに奏でるような演奏も良いんだけど。ひたすら下を向いて黙々と発する音の良さというか...もはや癖の域なのかも知れないけれど。
そしてベース好きにはご褒美でしかない、幕間に展開されるベースソロ。からのバンドセッション。リズムとタイミングの妙。なぜか体が揺れてしまう、不思議な感覚。
3分弱で駆け抜けて行く爽快さ、痛快さ。バンドサウンドのシンプルさ、無骨さ。もう美味しさはあちらこちらに転がっている逸品です。
この曲と出会ったのは私の音楽人生の最初期。冒頭に述べた通り、なーんにも解んない頃合いですよ。
何か始めっからドゥクドゥク言ってるなぁ(音)。←ベースという存在も知らない。
ザクザクしてる音、カッコ良いなぁ。←ギターも歪みも何もしらない。
ティーティーティリシマヘッ♬←英語歌詞を聴き取れるはずもなく。
それでもとにかくカッコ良かった。
今では色々なことを「知っている」からこそ楽しめること、味わえること、理解できることが増えて行く。それは素晴らしいことなんだけれども、一方で「知らない」からこそ楽しめること、感じられること、驚けること、が減って行くということでもある。
小説や映画、色々な作品について、記憶を消してもう一度出会いたい、ということがよく言われるように、新しい新鮮な出会いというものへの憧れもまた、止まない。
新しい音楽に出会ったりした時に、どうしたって興味が湧いて、どうしたって調べてしまう。どんなバンド?どんな音楽?他にどんな作品がある?と深堀していくのが醍醐味ではあるんだけれども。
敢えて、よく解らないものをよく解らないままにしておくというスタイル。
そんなのも有りなんじゃないだろうか?なんて不思議なことを考える今日この頃。知らない事を楽しむってのもまた、おつな物ではないかね?