マイツの小部屋

陰キャのための音楽ライフ

龍葬_陰陽座 龍は再び舞い上がり、鬼達は再度響き合う

遂に発売されました。陰陽座のニューアルバム、龍凰童子。パッケージを開けると、歌詞カード的な物とは別の小冊子が。そこには書かれた一文。

 

世はそれを「龍凰童子」あるいは「陰陽座」と呼ぶ

 

かぁーっ!たまらねぇなおい!

突発性難聴や喉の不調という、過酷な苦難を乗り越えて

4年以上ぶりに、遂にあがる復活の狼煙と

20年の活動を経て生み出した珠玉の作品にセルフタイトル的な名を与えて

 

我が名は!龍凰童子!そう!我こそは陰陽座である!と高々に名乗りをあげる

 

1曲目のインストである虹(正しい漢字が出てこない)から続き、待望のニューアルバムのオープニングアクトを務める龍葬。これで燃えなきゃいつ燃えるってんだい!

龍葬

龍葬

  • provided courtesy of iTunes

この4年くらいの間に、個人的に色々な出来事がありました。色々な想いがありました。活動が一時停止してしまうことへの残念さはあれど、体調や命というものがどれほど大事な物なのか、痛感している自分も居る。

復活は嬉しい。けれども、大丈夫かな?調子は戻っているんだろうか?音楽活動だけが全てでは無いんだし...なんて。余計な考えもちらつかせながら再生ボタンを押す。

 

なるほど、1曲目はインストで溜めるパターンね。期待と、緊張感と、色々な感情を脳内で転がしながら、トラック表示が「2」へと進む。いよいよ始まるぞ。そして歌い出しの瞬間に聞こえて来る

 

...ふぅっ(息を強く吸い込む音と気配)

 

この瞬間に、一発でKOされてしまった。電子機器を通してはいても、感じる「生きた人の息遣い」。向こう側に居るのは「ひと」であること、電子加工された音声データ等ではなく、今を生きて、音楽を演るという強い意志の下に心を燃やす存在であること。

そしてびしびし伝わる覚悟。やるぞ?歌うぞ?どうせ、(聴き手が)喉の調子がどうだこうだとか心配しているんだろう?ここからまだまだ舞い上がって行く姿を今見せてやるからな?という強い意志。

走り抜ける鳥肌。あぁ、こっちのちっちぇ不安なんて杞憂なんだ、これから自分はとんでもないものを喰らわされるんだな、という至高の絶望感。

 

インストからして、この4年半ぶりに歌い出して行く様の演出は、本当に感動的なものがありました。楽器の音色も、我々聴き手も、全ての心がただ一つに整えられていく。「さぁ、どうが力いっぱい、思う存分に唄ってください!」。もうね、初手からしてクライマックスなんだわ。今回全15曲収録ってさ、こっちの身がもたねぇよ(喜)?

 

 

そして待ってましたと言わんばかりに、共に追従していくバンドサウンド。リズム隊は相も変わらず激重だ。歌声も、ギターサウンドも、空を舞うような華やかさを出せるのも超絶強度を持った屋台骨、献身的な下支えがあってこそ。

そしてギターサウンドも、この曲では重くずっしりと楽曲を支える場面が多いように感じる。いつにも増して重さを感じさせられるのは、リズム隊とよりガッチリタッグを組んだような音の配置に見える。しっかりと支えて、すすっと歌声の花道を作り出す。

もちろんそれだけには留まらず、最近では珍しい、しかし個人的には大好物な「ギターソロで2本のギターが組んずほぐれず絡み合い重なり合う展開」を見せてくれる。歌に焦点を置きつつも、至高のヘヴィメタルであることには一点のぬかりもない。

 

こうした楽曲の構成、あるいはアルバムの構成は、黒猫の歌声をどこまでも響き渡らせるための演出に聴こえる。歌詞の内容だって、この龍は黒猫のことなのであろう。

 

兎にも角にも!一にも二にも!まずは再び昇るこの龍を見てくれよ!

 

何にも心配いらねぇよ?こっからたっぷりと新曲を用意しておいたからさ。思う存分に聴いてくれや!という、全人類に幸せを告げる開幕宣言。

遂に復活してくれたよ。何だか偉そうだけれどもさ。陰陽座のバンドメンバーにも、ファンのみんなにも、自分自身にも、みんなに、やったねおめでとう!という気持ちになりました。さぁさぁ、ここからきっとすげぇ名曲達が待っているぞ。

 

 

 

しかしさぁ...アー写っていうのかな?アートワークっていうのかな?

兄上、これもうガチの剣客ですよね?タイムマシンで撮影してきた宮本武蔵の写真がこちら!と言われても、違和感ないっすよ。