マイツの小部屋

陰キャのための音楽ライフ

茨木童子_陰陽座 これよこれ!陰陽座と言えばこの世界観よ!

龍凰童子、良いですねぇ。購入からしばし経った今でも、俄然ヘビロテ中です。何しろ15曲もたっぷりあるもんでね。しかもその全曲がシングルカットして良いくらいのキャッチーさ抜群美味しさ満点、階段の上り下りも辛くなくなりましたってなもんよ。

 

そんな最近にふと気が付いてしまった。陰陽座って、昨今の多くのアーティストと「比べれば」、MVっていうイメージが無かったんですけどね。

 

茨木童子!MVあったんかいワレ!!

 

これはご紹介せざるをえない。陰陽座の最新アルバム龍凰童子から茨木童子。これぞ陰陽座の世界観!


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せっかくなのでMVに注目して行きましょう!ゴリッゴリのハードなリフと共に、一瞬ずつ映像が映し出される。大量の虫だったり、生首、血液、鬼の絵。一瞬ゲジゲジの陰が画面を這う瞬間なんて、テレビ画面で見ている私にとっては「うっ」となる瞬間でもある。

 

マジで気色悪ぃ~!良いぞ!もっとやれ!

 

陰陽座で最も有名であろう甲賀忍法帖のように、陰陽座の楽曲は時にとてつもなくキャッチーで、黒猫の歌声は時に輝くように華やかな空気を纏う。のだけれど、彼らによれば、音楽のモチーフは正に妖怪メタル。

華やかで綺麗なものを唄うこともあれば、おどろおどろしく、暗く、醜く、深い深い暗部を唄うことも珍しくはない...というかそれこそが真骨頂。

 

映像は全編を通しておどろおどろしく、茨木童子の物語よろしく、切り落とされた腕も印象的に映し出される。長いブランクを経て放たれた最新作である龍凰童子の全編を通した雰囲気、そしてMV化に選んだ楽曲が茨木童子であり、その映像が実に妖怪然としてることに、歓喜の念を禁じ得ない。

 

ああ、私が大好きな陰陽座は、今も尚、陰陽座以外の何物でもないのだ!

 

楽曲の方もガチ中のガチ。手加減なんて無し。小綺麗に無難に置きに行く気なんて一切無しよ。

オープニングのスラッシーな展開は、みんな大好きスラッシュ名ナンバー「骸」を想起させる激熱さ。そう思いきや、黒猫の歌声は裏を描くように高音で響き渡るような澄んだ歌声。その音が逆に「不気味さ」を匂わせるところへ差し込まれる瞬火ターン。

盛り上がって来たところで必殺のサビはヒロイックで勇ましさも見せる、「妖怪物語感」をびんびんに感じさせる。細かなやり口、展開、魅せ方、聴かせ方、どれをとっても陰陽座

 

ドゥームでスラッシーな世界から、キャッチーでヒロイックなギターソロまで、1曲の中で様々な展開を自然に編み込んでくるのも陰陽座の得意技。

これだけゴリゴリにスタートダッシュを決めておきながら。

ザックザクに中盤を刻んでおきながら。

サビでは誰でも聴きやすいキャッチーさを見せ付けてくるし、ギターソロでは和のテイストも加えながら、「鬼退治」のような正義を感じさせる音も出してくる。

これだけのギアチェンジをこなしているのに、楽曲全体の雰囲気はしっかりと統一した上で自然と素早く切り替えて来る。ライトな音好き~ヘヴィな音好きまで、お子様からお年寄りまで幅広く楽しめる神バランス。

 

 

そして歌も、音も、映像も。いずれも「妖怪物語」の独特の湿った土着感のある恐ろしさを表現しながら、そこで描かれる狂気はどこかフィクションの枠を超え、現代にも通じるようなメッセージ感も感じさせる。

 

狂気とは何か。鬼とは何か。それは本当に化け物か?人間そのものなのか?

 

あぁ~、絶界の鬼子母神を聴きたくなるわぁ。

茨木童子

茨木童子