日常を過ごしていると、それはもぅ、色々なことがありますよね。ストレスを感じて、苦しいことや怒りもあって。そうした物は、いつでも正攻法で解消出来るものでもない。
どうにもならないこと。どうしようもないこと。ぶつけることの出来ない怒り、嘆くことしか出来ない現実。そうしたものに直面した時、二の足で立ち続けるために、人は音楽の力を借りることが出来る。
おススメははもちろんメタルなんだけれども。いわゆる王道メタルがフィットしない気分の時、あるんですよ。シャウトして、爆裂して、エネルギーを発散していくのも良いんだけれども。大きなエネルギーは放ちつつも、鋭くびしっと突き刺さるものが欲しい、そんな日は。
ニューメタルっていうものがね、どうも良いらしいんですよ。旦那さん。
ニューメタルと分類されて久しい、アルメニア系アメリカ人4人が織りなすトップバンド、System of a downのtoxicity。最強の切れ味で一刀両断にしてやりましょう。
ヘヴィメタルと言えば。重厚な音像、超絶なギタープレイ。ハイトーンヴォイスでド派手な音楽をぶちかます。そんなイメージだけれども。ニューメタルといわれるようなジャンルは、時にシャープに、クールに、スタイリッシュにメタルを放ってくる。
何に付けてもまずはこのドラムプレイ。この曲を根底から支えているのは、実にドライで跳ねるように転がって行くリズム。とにかくこのノリがオシャンティーなわけ。こう言うと軽い印象を受けてしまいがちだけれども、各パートが絶妙に折り重なった結果、まごうことなきメタルに仕上がって来るから不思議。
そんな楽曲全体を強烈に牽引するのはヴォーカル。
穏やかなシーンと激しくまくし立てるようなシーン。
急加速と急停止、パートによる激しい寒暖差。
シャウトと言うよりも、絞り出した魂の叫びのような迫力。
実にエモーショナルで、感情豊かに、莫大なエネルギーをこちらに浴びせて来る。
そのクールさやスタイリッシュさの反面、ニューメタルは時にリアルに、現代の様々な問題やテーマを歌い上げている。
タイトルのToxicityの意味は「毒性」。この楽曲の示すところにも諸説ある、というか様々な受け取り方が出来る作りになっている。
MVでメンバーが食べているのはひまわりの種だろうか。アルメリアではよく食べられるそうで、seedsという単語が度々登場する。
これが意味するものは、文字通りのひまわりの種?ただの食べ物?
種に例えられた、次の世代?若い世代?次に続く者達のこと?
はたまた、精神安定剤のようなものを意味するのか?
この街の毒性、この社会の毒性。あたりに溢れる混乱と混沌。
果たしてあなたは、どんな毒性に犯されていますか...?