マイツの小部屋

陰キャのための音楽ライフ

辛く苦しい旅がしたいのかい?

葬送のフリーレンに登場する圧倒的勇者ヒンメルの名言。良いですねぇ。

連載開始から原作が好きで読んでおりましたが、大々的にアニメ化された放送も毎週楽しんでいます。

 

今の所は非常に原作に忠実な作り。

アニメ化してもウケるだろうか?と心配してしまうくらいの独特の静かな空気感。

映像も音もとても綺麗に仕上げられた世界観。

私如きが「素晴らしい」と感じることが出来るほどの作品です。心配なんて杞憂というものですね。いやいや、名シーンの数々が染み入っております。

 

それなりに歳を重ねて「大事なあの頃」と「尚も続いている今」、「これからピークを迎える若者と立ち並ぶ感覚」を体感している中年にとっては、もうあちこちに涙腺を破壊するトラップが仕掛けられている本作。

記事タイトルにもしたこの言葉もまた、うんうんと頷いてしまう名言でありますねぇ。

 

そりゃあ、楽しく笑える旅(≒人生)が良いに決まってる!...んだけども...ね。

 

後でくだらなかったって笑い飛ばせるような旅がしたい、なんて言いながら魔王を討伐してしまうムーブもまた、ある意味では理に適っているんですよねぇ。

 

RPG目線で見れば、サブクエの隅々まで楽しんでプレイしていくスタイルの勇者パーティなんて、そりゃ強くなるはずですよ。レアアイテムからレアスキルまで、充実していること間違いなし。

現実でも、眉間に皺を寄せて毎日苦しい苦しいと食いしばる事こそが正解とは限らない。困難な道のりすらも「おもしれぇ~!」なんて乗り越えて来る化け物こそが、天下を獲るものです。

 

自分自身の悪癖として、さすがに40年以上生きていれば自覚はあるんです。

こんな事していて良いのかな?とすぐに不安になる。

もっと有意義な「ナニカ」があるんじゃないだろうか?

もっと「ナニカ」を頑張らないといけないんじゃないだろうか?

もっと努力を重ねて「ナニカ」を積み重ねなければいけないんじゃないだろうか?

もっと...

もっと...

 

全てが間違いではないけれど、やっぱり何かが違う。

大事なのはたどり着く場所ではなくて、そこに至るまでの日々、過程こそが人生そのものになるのだと、体感してしまったからには...

 

シュタルクがアニメならではの躍動感で一撃を食らわせる姿を見ながら。

フェルンのシュタルクを見つめる絶妙な「間」が、アニメだからこその具体的な時間として描かれている様子を見ながら。

今日も中年は、ヒンメルの言葉をゆっくりと咀嚼するのです。

 

やらなければいけない事はある。

けれど、辛く苦しい毎日を生きたいわけではない。

「楽しい」を感じることが出来る状態を、自分自身の中で頑張って創り上げつつ。

この毎日のひとつひとつを、丁寧に愛でて行く。

ひとまず今日は、頑張って足を延ばして手に入れたこの焼き鳥を、丁寧に美味しく頂きましょう。

 

しかし...久しぶりの焼き鳥も、大分値上げしてたなぁ!(泣)